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【洋書感想】The Witch’s Cat:そのままの自分を大切にするということ

Kindleでハロウィンの絵本を探していたら、可愛らしい黒猫ちゃんが表紙の絵本に出会った。

※この先はあらすじのネタバレがあるので、もし表紙を見て(気になるかも!)と思った方は本を読んでからこの感想を読むことをお勧めする。

ちなみに全28ページで、1ページごとの文章量もそこまで多くない(1番多くて6-7文程度)。
高校英語程度の単語・文法知識があれば読める難易度で、イラストタッチもやわらかくてかわいい。

主人公は、黒猫のペッパー。
ペッパーは魔女のグリンダと一緒に暮らしている、ほかに類を見ないくらいまっくろな毛並みの猫ちゃんだ。

ペッパー以外の猫たちは、灰色、白、茶色の毛並みをしていて、町の猫たちの中ではペッパーだけが真っ黒の毛並みを持っている。
楽しそうに遊んでいる猫たちを見ては、「自分はみんなと違うから、きっとこの中には溶け込めないんだ」と考えていた。

ペッパーは、魔女のグリンダにこんなことを言った。

"Maybe... maybe you could cast a spell on them that will make them like me?" cried Pepper looking up at Aunt Glinda with her big crescent moon eyes.

★作中では、ほかにも助動詞・使役動詞・現在分詞を使った表現がいくつか登場する

The Witch’s Cat

「ほかの猫たちがわたしのことを好きになってくれるように、魔法をかけてくれないかな」とお願いしたのである。

このあとどういう展開になったかはぜひ本編を読んでほしいのだけれど、「ありのままの自分では好きになってもらえないかもしれない」と思い込むペッパーの姿を見て、胸が痛くなった。

新しい場所に飛び込む時、自分がその場所に馴染めるかどうか心配する気持ちには、身に覚えがある。

どういう振る舞いをしたら輪に入れてもらえるのか、どんな格好をしていたら浮かないのか。
悪い方向にばかり想像して、どんどん不安になる気持ち。

話してみたら意外と大丈夫だった、ということも案外多いとわかっていてもなお、初めましての人たちと話す時は前の日からあれこれ考えてしまう。

ペッパーのお話は、そんなひとにちょっとだけ勇気をくれる。

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