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研究進捗(2023年)外国にルーツのある子供に対する初期日本語教育に関する研究

2023年6月の目標

・大阪府教育委員会の小中学校科に連絡をとる。そしてこのオンライン授業がどのような成果を出しているかを教えていただく。(5月に進捗できなかったため、引き続き行う)

・以下の書物をこの1ヶ月で読む(読み切れていないため、引き続き読む)
→ケーキの切れない非行少年たち
→海外ルーツの子供の支援(言葉・文化・制度を超えて共生へ)
→多文化共生の実験室(大阪から考える)

・大阪府在日外国人教育研究協議会/多文化共生の日本語指導研究委員会にお話を聞くまた、ここが出している文書を読む(これに関しては6月7月に分けて読んでいく)
文書としては、以下のものである。

・大阪府在日外国人教育研究協議会『多文化共生の日本語教育 その方向性と可能性ーー府外教が目指す日本語教育の進め方』大阪府在日外国人教育研究協議会1998年
・大阪府在日外国人教育研究協議会/多文化共生の日本語指導研究委員会『21世紀の日本語教育ーー豊かに生きる力を全ての子供達に』大阪府在日外国人教育研究協議会1999年
・大阪府在日外国人教育研究協議会/多文化共生の日本語指導研究委員会『21世紀の日本語教育Ⅱーー渡日の子供たちの新たな課題に直面して』大阪府在日外国人教育研究協議会2002年
・大阪府在日外国人教育研究協議会/多文化共生の日本語指導研究委員会『日本語教室でできる母語の保持と伸長』大阪府在日外国人教育研究協議会2007年
・大阪府在日外国人教育研究協議会実践プラン集作成プロジェクト編『ちがいドキドキ多文化共生ナビーー在日外国人教育実践プラン集』大阪府在日外国人教育研究協議会、2017年

・「多文化共生の実験室」の一生を読み直して、年表を作る

2023年5月の進捗

・入会の必要性があると考えられる学会について以下の学会入会が必要なのではないかと考えている。
→日本語教育学会
日本犯罪心理学会
一般社団法人日本LD学会
子供の日本語教育研究会

これらにつても下記の文献調査とともに調べた(詳しくは書評の記事に記載)
・朝鮮学校閉鎖令について
・ブラック・ライブズ・マター(BLM)運動
・マイクロアグレッション
これらにつても下記の文献調査とともに調べた(詳しくは書評の記事に記載)

・主に文献調査を行なった。
書評では、以下のものを読んだ。
「多文化共生の実験室 『大阪から考える』」 髙谷幸 編著
「ケーキの切れない非行少年たち」宮口幸治
上記について今月は調べた。その中で分かったこと。
「多文化共生の実験室 『大阪から考える』」 髙谷幸 編著
→「日本語指導が必要な高校生の進路」についての結果を見ると、大阪府立高校に通う日本語指導が必要な生徒は全国平均とし比較した際、中退率が低く、進学率が高いこのことからも、大阪府の教育支援は課題展はあるものの全国と比較するとうまくいっていることが伺える。
 民族学級の存在の大きさ。関西の特徴として人権教育がベースにあり、そこに多文化共生がある。一方で他のところにはそのスタート地点がない。
 「違いを豊かさに」これは「違いを排除の理由に」から「違いを尊重し、豊かさに」転化できる実践の深化や拡大という考えが波及している。
 多文化共生の学校が必要とする観点として以下の5つが挙げられる(52頁)
・自尊感情を育てる
・子供の関係性を高める
・カリキュラムの改革・進路補償をあげ、最後に地域活動として当事者の活動やさまざまな交流や支援がある
 多文化共生の問題意識として基本的な方向について以下の3つを提言している(53頁)
・母語能力に応じた日本語教育
・教科書学習と結合した日本語教育
・母語の保持・伸長を目的とする母語教育 

「ケーキの切れない非行少年たち」宮口幸治
→<非行少年に共通する特徴>47頁
・認知機能の弱さ:見たり聞いたり想像する力が弱い
・感情統制の弱さ:感情をコントロールするのが苦手。すぐにキレる。
・融通の効かなさ:なんでも思いつきでやってしまう。予想外のことに弱い。
・不適切な自己評価:自分の問題点がわからない。自信がありすぎる、もしくはなさすぎる。
・対人スキルの乏しさ:人とのコミュニケーションが苦手
+1身体的不器用さ:力加減ができない、身体の使い方が不器用

(サインの「出し始め」は小学2年生から」)
非行少年の調書から成育歴を見ると境界知能の特徴がで始めるのが大体小学2年生からであることがわかった。
(境界知能)98頁
知能指数(=IQ)で平均的とされる部分と、障害とされる部分の境目にあたるところが境界知能。主にIQ70〜84の子供たち。知能分布から算定すると14%、1,700万人いることになり、35人クラスでは下からの約5人。境界知能は「平均的とは言えないが、障害とも言えない」とされることが多い。日本において境界知能は認知度が浅いことが課題。下図のイメージ。
※知能指数の平均はIQ85-115
※IQ70以下は知的障害の可能性が考えられる範囲。

2023年5月の目標

・大阪府教育委員会の小中学校科に連絡をとる。そしてこのオンライン授業がどのような成果を出しているかを教えていただく。

・以下の書物をこの1ヶ月で読む
→ケーキの切れない非行少年たち
→海外ルーツの子供の支援(言葉・文化・制度を超えて共生へ)
→多文化共生の実験室(大阪から考える)

・大学院進学の準備としてどの学会に入る必要性があるのかを再構築する。

2023年4月の進捗

・大学院への進学の準備として、研究計画書を書き進めた。
・朝日新聞に載っている記事を書かれた記者の方にインタビューを行った。

そこで分かったこと
→外国人の子供たちのフォローをする先生方もいっぱいいっぱいであり、オンライン教育が進んだことによって、大阪府教育センターの方に授業を任せることができたことは、教員としての負担の減少にもつながった。一方で子供が一人で授業を受けることは難しいため、先生が付き添う必要性はあるため、人員の確保は必要である。

・書評として以下の書物を読んだ。
 →「多言語・多文化共生社会とバイリンガル教育」中島和子,新しい日本学の構築
 →「アメリカ・カナダにおけるESL教育の実状とその考察」
東京工業大学:赤 堀 侃 司、 大学入試センター:小野 博,日本教科教育学会誌 199D.10:第14巻 第4号
 →「在籍学年の学習についていけないダブルリミテッド児童に対する言語教育環境の改善法」(小野梨紗子)
 ここから学んだこと
・2歳から8歳にかけて言葉が形成され4,5歳から14,15歳までに読み書きが定着する(この言葉が形成される特に2歳から8歳(中でも幼稚園卒園する)までは社会状況の影響をもろに受けて育つ。)
→高度達成方バイリンガルになるためには、聴いたり、見たりする比率が同じになるようにする必要性がある。
・カナダにおけるESL教育の目的とアメリカのESL教育の目的
カナダの場合
→「単に言語獲得をすることにとどまらず、自己の存在価値が自覚できるように、学校・地域・社会が他の文化に尊重するような教育を実施すること」
=教育の機会平等を保障しようという考えから起きている。
アメリカの場合
→「外国人が教科を学習するための基礎的言語の習得という意味と同等に、異文化の中で学校生活をより快適(自分でできる・独立する・自立する)にする表現手法の習得する」
=個人の存在価値を互いに尊重のあること、そのために相互理解できる手段として言語教育が行われている。
*アメリカとカナダのESL教育を比較する中で、日本はアメリカ式に近いところがあるのではないかと考える。

2023年4月の目標


・研究計画書を執筆を考える
→先生へのアポイントメントをとる
→大阪府の中でのフィールドワーク調査をする
→学会に入る準備をする
→先生や記事を書かれている人に取材を行う


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