見出し画像

エンジン基礎編②ガソリンとディーゼル

今回はガソリンエンジンとディーゼルエンジンってなにがちがうの?
というところについて解説していきたいと思います。

ディーゼルエンジンというと、トラックやバスなどのおおきなクルマに使われることが多いですが。
それはなぜなのか?
それはこの記事を最後まで読めばわかるとおもいます。

・・・たぶん・・・がんばって解説します。

前回エンジンの基本的な仕組みについて解説していますので、そちらを先に見ていただけると、より理解がしやすいと思いますので、そちらをご覧ください。

それぞれの仕組み

まず違いを知るためには、それぞれの仕組みを知っていたほうが、より理解が深まると思いますので、まず仕組みについて解説したいと思います。

基本的には前回開設したとうり、燃料を燃やして得たエネルギーを回転力に変える。
この構造は同じです。

では何が違うのか?

違い点は大きく2点あり

燃料

燃料を燃やす方法

が違います。

まず燃料ですが

ガソリンエンジンはガソリン

ディーゼルエンジンは軽油です。

これは皆さんご存知のとうりです。
たまに軽自動車だからと言って、軽油を入れる方がいますが
それはさておき(軽自動車にディーゼルエンジンのクルマはありません)

大きく違うのが燃料を燃やす方法で

ガソリンエンジンは、ガソリンと空気を混ぜた混合気を圧縮し、そこに火花を飛ばすことにより、ガソリンを燃やしています。
これを”予混合気燃焼”といい「予め空気と気化した燃料を混合したあとに燃焼させる方法」です。
特徴としては、空気に燃料が均一に混ざった状態での燃焼のため、局所的に燃料が少ない(リーン)燃料が多い(リッチ)状態にならないため、NOxや煤などの発生が少ないのが特徴です。

対してディーゼルエンジンは、エンジンに取り入れた空気を圧縮し、高温になった空気に対して直接燃料を吹きかけることにより、軽油を燃やしています。
これを”拡散燃焼”といい「圧縮された空気に対して噴射された燃料が蒸発し拡散されながら空気と混合し、着火可能な所から自着火して燃焼が始まる方式」です。
特徴として、可燃範囲が広くエンジンの大きさを大型にできることにあります。

このような燃焼が出来る理由は燃料の特性にあります。

”引火点”と”発火点”

画像1

燃料には”引火点”(火を近づけた時に燃える温度)と
”発火点”(自然発火する温度)があります。

ガソリンの場合だと
引火点 -43℃以下
発火点 300℃
と、ガソリンは非常に引火性の強い燃料だと言えます。

対して軽油はというと
引火点 40~70℃
発火点 250℃
とガソリンに比べて、引火はしにくいが発火はしやすいと言えます。

ディーゼルエンジンの仕組み

この燃料の特徴から、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べ

圧縮(空気を押しつぶすこと)する力を強くし、(ガソリンエンジンの約2倍程度)
空気をより強く押しつぶすことにより、空気の温度を上げ。
高温になったところに軽油を噴霧することにより、
燃焼を発生させることができます。

この空気を押しつぶす力が強いため、ガソリンエンジンよりも大きい力(トルク)を発揮することができます。
そのため、大型のトラックやバスなどはディーゼルエンジンを使っています。

また、拡散燃焼の特徴である”可燃範囲の広さ”により、一つのシリンダー(燃料を燃やす部屋)の大きさが、ガソリンエンジンでは800ccが上限と言われていますが、ディーゼルエンジンの場合は容積の制限はありません。
つまり大型のエンジンに適したエンジンと言えます。
その代償として、燃料が燃え広がるスピードが遅いため、低速回転での運用に限られる。(大型の重機や船舶等)

画像2

乗用車での採用が少ない理由

ただ反対に、軽油が燃えるように強い力で圧縮するためには、エンジン自体が頑丈でなければなりません。
がしかし頑丈にすると、エンジン自体が重くなってしまうデメリットがあるため、乗用車(特に小型車)にはあまり採用はされない傾向にあります。

また、ディーゼルエンジンの性質上”黒煙(PM)”と”窒素酸化物(NOx)”が発生するため、
それを浄化する”DPF(Diesel Particulate Filter)”や”尿素SCRシステム”などを搭載し、有害物質を排出しないように対策をしています。
また燃料を供給するシステムが高価であり、ガソリンエンジンに比べ車両価格が高くなる傾向があります。また排気ガスを浄化する”DPF”の性能を維持するために、エンジンオイルは規格に沿ったものを使わなければなりません。
また尿素SCRシステムは定期的に”尿素”を補充しなければならない上に、空になってしまうと、排気ガスの浄化が出来なくなるため、エンジンがかからなくなるなど、メンテナンスにもコストがかかるため、乗用車での採用は少なくなっています。

今回はここまでです!

お疲れさまでした!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?