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気まぐれ旅行記です。 どこかで誰かの何かのお役に立てたら嬉しいです。
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#旅行

散々な目に遭ったインドにまた行きたくなった:『ガンジス河でバタフライ( たかのてるこ)』

インドでiphoneを強奪された。3年ほど前に、インドに1人旅をした時のことだ。 初日の夜に、iPhoneを2人組の男に強奪された。 それはもうパニックになった。 全てをスマホに依存しきった現代社会だ。スマホがなければ正直、国内旅行でもアタフタしてしまいそうだ。 それが、よりにもよって、旅人たちの間でも「難易度が高い」と聞いていたインドで起こった。 ましてや、こちとら初めて訪れるインドで、しかもそれが初日ときている。 結果としては、事前に計画していた通りの旅程を意地でも全

インド一人旅の初日にiphoneを失ったら~Vol.5~

〜Vol.4からの続き〜 流れに身を任せることを決めた僕は、彼のバイクタクシーに乗ることにした。 もう名前も忘れてしまったが、便宜上、彼をAと呼ぶことにする。 まず向かうのはもちろん、タージマハルだ。 しかし、走り出して10秒後には「やっぱりUberにしておけばよかった」と後悔しはじめた。 バイクタクシーの座席は、ほぼ外だ。 日中ならともかく、朝の時間帯には寒すぎるのだ。 ガタガタ震えている僕に、Aは振り返り、メモ用紙らしき束を渡してきた。 聞けば、今までに彼が乗せた客

インド一人旅の初日にiPhoneを失ったら ~Vol.4~

〜Vol.3からの続き〜 タージマハルのあるアーグラに向け、無事に列車は走り出した。 一等車を取っていたので、駅の混沌さとは対照的に、車内はすこぶる快適だった。 2席×2列で計4席の、日本の特急や新幹線と同じような座席。 予想外にも、途中で朝食的なものがサーブされたが、 「インドでは、確実に信頼のおける出所からの食べ物以外は、お腹を壊す可能性があるから手をつけない」 とガイドブックから学んだ僕は、華麗にスルーを決めた。 食後(食べてないけど)、広大な地平線から昇る朝日を

インド一人旅の初日にiphoneを失ったら~Vol.3~

〜Vol.2からの続き〜 寒さと不安で泣きながらバイクタクシーに運ばれ、僕はホテルに到着した。 翌日はタージ・マハルのあるアグラに行くために、早朝の電車に乗る必要があった。 しかし、考えるべきこと、調べるべきことは山のようにある。 そして、何かを調べたくても、その役割の筆頭を担ってきたiPhoneを失ってしまった。 おそらく一般的には、警察に届けたり、大使館に助けを求めでもした方が良いのかもしれない。 しかし、やっとの思いで仕事を調整し、土日に有給3日間をくっつけ、ようや

インド一人旅の初日にiphoneを失ったら~Vol.2~

~Vol.1からの続き~ その時だ。 右背後すぐ近くに、一瞬、人影を感じた。 あまりにも急で、そして不自然なほど近くに感じた気配だったが、お人好しにも「自分が邪魔だったかな」くらいに思った僕は、「Excuse Me」と言って少し左に避け、通り道を作ってあげようとした。 その時だ。(2回目) その人影は、ものすごい速さで僕が右手に持っていたiphoneXを引ったくり、全速力で走り出した。 何が起きたのかわからず、一瞬、思考が停止した。 だが次の瞬間には、全身の細胞が「絶

インド一人旅の初日にiphoneを失ったら~Vol.1~

「そうだ、インド、行こう」。 ふと思い立ったその先は、京都ではなかった。 軽い気持ちで決めた、初めてのインドへの旅。しかも、一人旅だ。 2020年2月初旬、僕はデリーの空港に降り立った。 蒸し暑い風、砂埃で濁った空気、おびただしい人数の客引き・・。 空港を出てすぐに、想像していた通りの「インドらしさ」を存分に浴び倒した僕。 旅特有の高揚感に浸るのに、長い時間はかからなかった。 まずはUberを使い、予約していたホテルに移動し、チェックイン。 民族衣装を身にまとったインド美