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両国麦酒研究所の家飲みセットでIPAを頼んだ

 ちょいちょいビールのことをtwitterやfacebookでもつぶやいていますが、縁あって六本木にあった「セルベッサ」という世界のビールの専門店で働くようになってからビールのことがどんどん好きになり、今は池袋の「スナークリキッドワークス」を手伝わせていただきながら、クラフトビールの奥深さにどっぷりはまっている次第です。好きなビールとかブルワーとかの記事もおいおい書かねばね。

 先日というか11月の上旬に両国の名店ポパイのIPA6本セットを頼んで、しばらく忙しすぎたために飲めずに居たのですが3連休でようやく開封出来たのでした。

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 IPAってのはインディア・ペール・エールの略で、インド航路でビールを運ぶのに耐えられるよう、防腐剤の役割を果たすホップを多めにいれたエールですよーということを指します。同じような名前の由来にインペリアルスタウトがあり、これはロシア販路への輸出用スタウトがありますね。
 現在ではアメリカを中心としたクラフトビール醸造所ではお決まりのスタイルとして作られています。ホップが多くて個性的なのでパンチがあって苦み・香りが強いものが多いです。
 個人的な好みではいわゆるIPAはあまり好きではないのですが、後述の通りな内容であったため、ぽちってみようということに。

 さて、両国麦酒のそんなIPAセットの内容はというと…

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ん?

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あ、これ自分でラベル貼ってくださいねってことなんですね…

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1)ミルクシェイクIPAマンゴー
2)ミルクシェイクIPAピーチ
3)ケープコッドフォッグNEIPA
4)ピッグヘッドIPA

の4点でした

ちょっとまって


IPAらしいIPAはピッグヘッドだけじゃないですか!!笑


といいますのも、

1)と2)のミルクシェイクIPAも
3)のNEIPAも

どちらもヘイジーIPAなんですよね!

 Hazy=濁ったという名前の通り、透明度が薄く濁ったIPAをヘイジーIPAといいますが、これ基本的に全然苦くないんです。ホップを大量に使ってはいるものの、苦味よりも香りや味に全振りしたようなIPAです。また果実感が強く、舌触りが果汁を飲んでいるかのように感じられるジューシーさがあるのも特徴で、クラフトビール初心者にも気に入っていただきやすいビールだと思います。
この、IPA=苦いという今までの常識を打ち破ったヘイジーIPAのスタイルはここ数年でかなりポピュラーになってきました。

 ちなみにミルクシェイクIPAはラクトース(乳糖)を加えたIPAで、本来当分は発酵に必要な栄養素なのですがラクトースはビールの発酵には使えず、独特の甘みをビールに添加するために使われます。
 NEIPAはNew England IPAの略で、アメリカ北東部のニューイングランドから火がついたIPAです。ヘイジーIPAの小分類というよりはヘイジーIPAのほうが別称で、ほかにもジューシーIPAなどと言われたりもします。

さて、一本一本簡単なレビューをしていきましょう。写真はおいしそうに取れなかったので割愛します(すまぬ…!!

1)ミルクシェイクIPAマンゴー

 無類のマンゴー好きの僕にとってマンゴーを使ったフルーツIPAは見つけ次第飲むほどに好きなんですが、なかなか素敵な仕上がりでした。ミルクシェイクIPA独特の穏やかな甘みがマンゴーと合うのはもちろん、フィニッシュの苦味やアロマがバランス良い。しかしながらマンゴーのキレイな色味はミルクシェイクによりかなり濁ってしまっているので、見た目の華やかさにはやや欠ける印象。

2)ミルクシェイクIPAピーチ

 これはバランス良い!ミルクシェイクIPAにピーチのフレーバー、めちゃくちゃ合います。IPAには独特のフィニッシュのエステル香がありますが、これがピーチの香りとうまく調和して、雑味が緩和されていてスルスル入っちゃうジューシーさ!ピーチフレーバー自体はホップの強さに飲まれているものの、飲んだ後の心地よさはピーチ譲りの優しさがあり、素晴らしい。今回頼んだセットの中でダントツのバランスです。見た目も悪くなく、また見かけたら頼みたい一杯。

3)ケープコッドフォッグNEIPA

 その名の通り、ケープコッドの霧のように先が見えないほど深い濁りのあるNEIPA。先2つのフルーツ&ミルクシェイクとは違い、ホップとしての香りが高く、後腐れのしないサラッとした印象。口に含んだ瞬間のジューシーな味わいと、そこからすぐにやってくるホップのドライさで口の中がリセットされる、寄せては返す波のような仕上がりでした。どんなシチュエーションや料理に併せても楽しめる感じですね。色あいもまるでオレンジジュースのようで面白いです。

4)ピッグヘッドIPA

 先の3種類とは違ってスタンダードなIPA!ながらも、これメチャクチャ飲みやすいですね。確かに苦味と香りを強いのですが、純粋にペールエールとしての領域に属していて、よくありがちな過剰な苦味や雑味に行ってしまっていないのが好印象です。個人的にはIPA入門ならこれ飲んどけ!でおなじみのパンクIPAよりも、IPAに慣れない人に素直におすすめできるIPAです。酸味と苦味と香りのバランスがよく、一口目で"うまい"と思えるIPAでした。


今日は夜勤を終えて昼頃に起きてから飲みながらこれを書いているので、酔っ払いまくっています。へろへろ~
購入から2週間以上経ってしまっていたためもっと美味しい状態で飲みたかったのですが、なかなか満足できました。
お手伝いさせていただいている西池袋のスナークリキッドワークスのビールも紹介していきたいな。スタンダードなものは作っておらず、小ロットを色々作っては出し、ケグがなくなれば売り切れといったスタイルですが、藤浦さんの仕込むビールはホップの個性がメチャクチャ立ってるのが素敵です。特にスタウトやアンバーの仕上がりが素晴らしく、これまで飲んだ中で一番好きなスタウトもスナークのものです。果実を使ったものも美味しいですが、純粋なビールとしての勝負ができるつよつよビールがやっぱり素敵ですね。

いずれ都内のブルワー巡りもしたいなーと思ったりしていますが、いつになるやら…

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