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3回目の結婚記念日に寄せて

昨日は、入籍してまる3年の結婚記念日だった。
帰ったら旦那さんが綺麗なバラを花瓶に飾って待っていた。私は、芋好きの彼にちょっといいスイートポテトを買って帰って、ノンアルビールで乾杯した。
昨日は大きいプレゼンがあって、でもあんまり上手に喋れなくて、苦い気持ちになっていたけど 帰ったらこの場所があるから幸せだなぁと思った。


振り返れば昔から、誰かを憧れてばかりいたように思う。

小学生の頃は、小花美穂の「こどものおもちゃ」という漫画の倉田紗南ちゃんに憧れてた。
明るくてかわいくて、どんなことも前向きに乗り越えてく彼女みたいになりたいと思って、
どんくさくて内気、友達関係で悩んでばかりの冴えない小学生だった私は こんな時紗南ちゃんだったらどうするかな、って考えて自分を励ましてた記憶がある。

中学生の時も高校生の時も、仲良くなる友達はいつも魅力的で、眩しく見つめてた。
制服から伸びる細い手足とか、たまに見る私服のハッとする素敵な着こなしとか、実は彼女を想ってる男の子がそこかしこにいることとか、たまらなく眩しいなと思う瞬間があって、自分がその子だったらなぁ、ってたまに想像した。

大人になって、仕事をするようになっても、
プレゼンが上手な人、いつも毅然としてられる人や 説得力があって意見が通る人、いろんな武器を持つ人たちをみて、「自分にはこれがない、こうなりたい、ならなきゃ」って思うことがたくさんあった。
自分じゃない人になりきってプレゼンしようとした機会、数知れず。どれもあまりうまくいかなかったけど。

自分じゃない誰かに憧れて、こんなふうになりたいと、持ってるものをうらやましいと思うことが多かった。
フィクションでもリアルでも、隣の芝が青く見えて、魅力的な人を見つけては このひとになったつもりで過ごそう、みたいなことをよくやっていた。


でも、彼との結婚に関しては、誰かのことをうらやんだり、別の誰かだったら良かったと思ったことが一度もない。
彼が私にとって、最高で最上だ。

私が雑に扱って絡まってしまったネックレスを、丁寧にじっくりほどいてくれること。
私が怒ってると、急に音楽をかけて謎の踊りをはじめて笑わせてくれること。
新しく買った帽子を、嬉しくてずっと部屋でかぶってること。
子どもの泣き声が聞こえると、目尻を下げて「大丈夫かなー、えーんってなっちゃったんだねー」って優しく言うこと。
他の誰でもなくて、彼がよかった。

2人で大笑いながらふざけていると、あぁ、この人とあと50年くらいしか一緒にいれないのか、短いなぁって思う。あと5.60回一年を繰り返したら、どちらかが死ぬってマジか、と。
一緒に過ごす今を、大事に大事に過ごさないとなぁとしみじみ刻む。

彼と過ごしていると、他の誰かにならなきゃ、って思わない。意識もせず、自然と、自分自身でいる。
これはいつも誰かを憑依させようとしてきた自分にとってはかなり稀有なことだ。
しっかり者でなく、おっちょこちょいで雑、見栄っ張りで気にしいで甘えてばかりな自分だけど、まぁいいか、これでいいかと思える。こんなしょうもない自分だから彼と出会えたのだし。

結婚記念日なので、長いラブレターのようなものを書いてしまった。
結婚3年目の今の気持ちは、こんな感じ。

秋に子どもが産まれたら私たちはどう変わっていくのだろう?少し怖いけど、楽しみだ。

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