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ゼロから始める伊賀の米づくり〜新米兼業農家の記録〜

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2020年1月、三重県伊賀市の父の実家の田を継ぐことになった男の米作り1年目からの記録です。京都⇄伊賀の二拠点生活を送っている筆者が、家族の思い、地域の信頼に応えるべく、自然のま…
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2021年7月の記事一覧

ゼロから始める実家の米づくり18:田植え前、最後の準備へ

例年5月連休に行う田植え。その田植えが迫ってくる4月末は準備が大詰めとなってきます。 まず、田んぼに水を引き込みます。地域の決めた日程に従い、順次近隣の人々は水取りを始めていきます。 この水取り。上流と下流の関係がある為、好きなタイミングで水を田んぼに入れて良いわけではありません。 昨年は、その件で近隣でちょっとしたトラブルもありました。 水路の保全、水の管理は一戸だけではままならないものです。だからこそ、地域ぐるみの役を設け、1ヶ月に一度程度の頻度で草刈り等の役が発

ゼロから始める伊賀の米づくり17:春起こし終了〜代掻きへ

前回、トラクターのボンネットから白い煙を吹き出すという思わぬ形で中断してしまった春起こし。 どうにか、トラクターの部品交換により再開できることとなりました。 春起こしがどうして重要になるかと言えば、この時期は冬が終わり、温かくなってくることで雑草が多くなることが挙げられます。 極力、田んぼに生えてくる雑草は除去し、稲のための栄養が雑草にとられてしまわないように気をつけることが、慣行農法では求められます。 これら雑草もトラクターによって土中に鋤き込むことにより、栄養分と

ゼロから始める伊賀の米づくり16:田植え機のメンテナンスとトラクターの故障!?

3月。この時期になると、いよいよ田植えも近づいてきます。 田植えは例年、5月連休中に行います。それまでしばらく時間はありますが、いざ当日になって「田植え機が動かない!」では話になりません。 今回も、一度バッテリーを充電して燃料を入れ、エンジンを動かしてみることにしました。 バッテリー充電にはしばらく時間がかかるので、その間にこの時期のやること。春起こしを行います。 今回もトラクターに乗り込み、いざ耕します! 秋起こしの時から何度も何度も田んぼ(圃場)を耕していますが

ゼロから始める伊賀の米づくり15:機械化以前の米作り

前回、春が来る前の圃場の石拾いについての書いたのですが、その途中で祖父の作業場の整理も行っていました。 元々、大工であり木材の卸しも営んでいたらしい祖父の作業場は、祖父が亡くなって8年ほどですが手付かずのまま放置されていました。 祖父の他界から8年後。今度は父が他界し、それを機に実家の米づくりを継いで行ってきたわけですが、米づくりの作業と並行して、祖父の作業場の整理も行ってきていたのでした。 大工であり、木材の卸しも営んでいたらしい祖父の作業場は木材や工具で溢れていまし

ゼロから始める伊賀の米づくり14:春が来る前に石拾い

2021年、2月某日。今回は、田んぼの石拾いをすることにしました。 昨年の収穫が終わったあと、トラクターに乗って「秋起こし」をしたわけですが、 トラクターに乗って田んぼの中を走っていると、土の中にある石が顔をのぞかせている様子がよく見えます。 田んぼの中に石があるとどうなるか? トラクターに乗れば、耕している際にその爪が傷つきやすくなり、 田植えをするために田植え機に乗れば、苗が石に引っ掛かり、根を張りにくくなります。 基本的に良いことがありません。 そのため、