【読後感評】眼の誕生

あんまり書評とは関係のない、「読後感」を書いてみようとおもいます。
今回の本は、『眼の誕生』という本。

5億4300万年前、三葉虫に「眼」が初めて生まれ、
それによって現在の生物の門が全て開かれたと言われています。
これをカンブリア爆発というそうな。

この本をよむキッカケになったのは、
人工知能の権威、松尾先生の講演を聞いたこと。
そのときの本論は、
「ディープラーニングは機械にとっての眼である」というもの。

これまでの機械には眼がなかった。
だから、元プログラムしたものを実行することがメインの作業となり、
フレキシブルな対応が難しかった。

それに対してディープラーニングは、
画像認識の精度を飛躍的に向上させることに役立っている。


いま肉体労働が人間の仕事になっているのはなぜか。
腕の問題ではなく「眼の問題」である。
運びたいものをちゃんとつかみ適切な位置に持っていくには、
眼の存在が必要不可欠。

いま部屋の片付けが人間の仕事になっているのはなぜか。
部屋の状態を把握仕切り、散らかったものを元あった場所に戻すには、
眼がなくてはできない。

いま農業が人間の仕事になっているのはなぜか。
植物はそれぞれ個体差を持って生まれるし、
実がなる位置も精緻にはコントロールできないから。

ディープラーニングによって、機械におけるカンブリア爆発が起こる
と松尾先生は言っていた。

動物においては、
眼が誕生したことによって捕食のための顎が生まれ、
身を守るための堅い外殻が生まれ、
身を隠しやすい色に進化した。

もしかしたら機械においても、
認識しやすい色・形のモノが流行するのかも。
そしたら片付けのミスは減って、
自動運転の車にひかれることもなく、
いままで人間が当たり前にやっていたことを
機械がどんどん奪ってくれたりして。
機械に眼がある前提での商品開発。

そんなことを思いながら、
化石とかクラゲとかの話を読んでいるのがおもしろい本でした。




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