3種類の『曖昧さ』の割合が仕事の大きさを決定する説

ここ最近仕事における『曖昧さ』についてよく考える。

取り扱うべき『曖昧さ』には下記の3種類がある。
A. 排除すべき『曖昧さ』
B. 許容すべき『曖昧さ』
C. 付加すべき『曖昧さ』

A. 排除すべき『曖昧さ』

コミュニケーションの円滑さを奪う曖昧さ。
誤解を生む曖昧さ。
これを可能な限り排除することで、大小様々な事故を防ぐことができる。

たとえば小さなところで言うと日程調整。
「9時」と表記すると0900を指すのか2100を指すのかという
誤解が生じる隙が発生する。
24時間表記で全部書いたほうがスムーズであることは間違いない。

この誤解が生じる隙に対して敏感な人は一般的には仕事ができて、
プロジェクトをうまく進めていける人だと思う。
脳内を同期させたほうがいいシーンにおいて、
曖昧さはなるべく排除したほうがいい。

では、
すべての曖昧さを排除すべきかというとそういうわけではないと思う。

B. 許容すべき『曖昧さ』

AさんとBさんの落とし所の思惑が微妙に違うとき、性急に白黒はっきりつけようとすると、大抵は悪い方に倒れるよという話。

たとえばAさんとBさんがデートをしたとする。
AさんはBさんと付き合いたいと思っている。
BさんはAさんのことをちょっとまだよくわからないと思っている。
(かといってネガではなく、よくも悪くも「わからない」という状態)

このときAさんが急いで
「僕といますぐ付き合おう!さもなくばもう会うのをやめよう!」
と言ったとする。
Bさんが付き合う確率はそんなに高くない気がする。

AさんとBさんの間に存在する『曖昧さ』をAさんが許容し、
少しずつでも気持ちをたぐり寄せられたとしたら、
AさんがBさんと付き合える確率はグッと上がるだろう。

こんなシーンは仕事にもたくさん存在しているが、
ことプロジェクト進行となるといますぐ白黒はっきりつけたくなる
ということもよくあるのでは。

この許容している『曖昧さ』をいつ排除するかというのが
プロジェクト成功確率を一気に上げるツボに思える。

C. 付加すべき『曖昧さ』

一般に仕事における『曖昧さ』はストレスの原因になる。
しかし、敢えて付加すべきシーンも多くあると思う。

大体これが発生するのはプロジェクト進行度80%くらいのとき。
ゴールが見えてきて、
このまま進んでいけばちゃんと着地できるぞ!というとき。

プロジェクトがはじまったときには
「ものすごく大きなことやるぞ!」と思っていたはずなのに、
このときには
「そろそろゴールできるぞ!」にプライオリティがすり替わっている。

ここでルーティーン的に安全側に倒しすぎると、
最終的には「それっぽいもの」に着地してしまう。
敢えて「本当にそうか?」と
自分と、チームの人に問うような動きをすることで、
さらに大きな仕事に発展させることができると思う。

「現場に絵コンテは持っていかない」と、
プロフェッショナル仕事の流儀で
エヴァンゲリオンの庵野監督は言っていた。
コンテがあることによって、
脳内のものを超えることができなくなるかららしい。
これは典型的な「曖昧さの付加」だと思う。

3種類の『曖昧さ』の割合が仕事の大きさを決定する説

この
A. 排除すべき『曖昧さ』
B. 許容すべき『曖昧さ』
C. 付加すべき『曖昧さ』
のバランスが仕事の大きさを決定するのではと最近思う。

すごく極端な例で、Aが100%のプロジェクトを思い浮かべると、
おそらくものすごくスムーズに進むが、
凡庸な着地の仕方をすることが想像できる。

一方でCが100%のプロジェクトを思い浮かべると、
たぶん着地しないということもイメージできる。

プロジェクトのフェーズに合わせて、
A, B, Cをそれぞれどれくらい大きくするべきかというのを
意識しながら仕事ができれば、
きっと、もっと大きな仕事ができるようになるんじゃないか。

という気付きの話でした。

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