清原達郎「わが投資術 市場は誰に微笑むか 」



マイノリティ視点が生む投資アイデア

投資のヒントは大衆からは生まれにくい。清原氏は「自分の考えがみんなと同じならアイデアにはならない」と説く。大衆の意見とは異なる独自の視点から、株価に織り込まれていない新たな可能性を見出すことが重要だ。多数派に流されず、少数派の目線を持つことが投資のブレイクスルーを生む。

マクロよりミクロに着目

マクロ経済の予測は困難を極める。しかし個別企業のミクロ分析で勝機は多い。とりわけ割安小型株、無評価の銘柄にこそチャンスが潜む。アナリストのカバレッジが薄いこの領域に、未知の投資機会が眠っている。ミクロの地道な分析に勝るものはない。

割安株の指標とその活用法

割安株を見抜くための指標としてPER(株価収益率)とネットキャッシュ比率が有用だ。PERが10倍以下の企業は、長期金利が3%までであれば総じて割安と見なされる。流動資産と投資有価証券の70%から負債を引いたものがネットキャッシュ。この比率が1以上であれば、企業が無料で買えるほど割安。つまり、ネットキャッシュ比率1以上なら時価総額以上の現金を保有する超割安株だ。これらの指標でスクリーニングし、複数の割安銘柄を発掘する。

成長株を見極める6つのポイント

割安だけでは十分ではない。持続的な成長力が不可欠だ。判断基準は1)経営者の成長意欲 2)優秀な部下 3)競合との競争力 4)コアコンピテンスの強さ 5)未開の市場 6)言行一致した経営などを総合的に見極める。経営者の意欲が最重要ポイントだ。

100万円から割安小型成長株に挑戦

時価総額500億円以下、PER10倍以下、PBR1倍未満、ネットキャッシュで選んだ20銘柄の株価をモニタリングし、相場の急落時には積極的に投資を行います。こうすることで、市場の変動から利益を得ることが可能です。20銘柄程度の小型株をウォッチリストに入れ、情報収集しつつ値動きを見守る。投資は10万円単位で行う。急落時は10銘柄に一気に10万円ずつ購入する。分散と機動力が鍵となる。このような愚直な手法が最善の投資方法だ。

日本株を取り巻く環境と展望

日本は人口減少と経済低成長が避けられない。しかしインフレ抑制と金利の緩やかな上昇が見込まれるため、割安株が有利だ。需給が逼迫し日本株の「ショーテッジ」時代も到来する。こうしたなか、割安小型成長株への需要は今後ますます高まるはずだ。

投資を通じた人生の充実

お金儲けだけが人生の目的ではない。清原氏は「人と交わり何かの役に立つことが幸福につながる」と説く。投資家は孤独にならぬよう留意が必要だ。人とつながり、何かしらの役割を果たすことで、より充実した人生が送れるはずだ。

まとめ

独自の視点を持ち、少数派のアイデアに着目することが投資の出発点だ。割安小型成長株には未知の投資機会が眠っている。節約と地道な分析を重ね、日本株の需給がひっ迫するなか、この領域で大きく飛躍する糸口を掴む。お金だけでなく、より充実した人生を求めるのであれば、投資を通じて役割を果たしていくことが肝心だ。

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