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「豊かな美術館コレクションはどうやってつくられるのか?」美術手帖 2021年 10月号

Kosuke Fujitakaさんの「豊かな美術館コレクションはどうやってつくられるのか?」より。

日本と米国を、コレクター、美術館、マーケットなどで比較。中でもコロナ禍によるアートマーケットの急拡大とNFTアートについての言及があり、その部分はアートとNFTに興味あったので、とてもおもしろく読みました。

・アートの価値が形成されるには数十年単位で考えねばならない。ファンドのように7-10年でリターンが出るものではない。

・作家は、生前にギャラリーとともに成長し、コレクターによる購入、美術館展示、メディア露出でキャリアップする。没後には美術史家によって研究され歴史上で位置付けられて作品の価値が上がる。

・大半のアメリカの美術館は私立財団で美術館メンバーと理事による多額の寄付により運営される。

・美術館に寄贈すると相続税や所得税の控除が受けられる。この税金の控除は市場でのやりとりでは見えない大規模アート取引が行われるのと同じインパクトがある。

・インスタグラムの中で作品が売れる現象はコロナ禍で加速。ギャラリーに来ずアートを買う可能性がある人が一気に増えたため、アート的なコンテクストが一切共有されないまま作品が購入されている。

・NFT作品マーケットはアートに造詣が深くないか、暗号通貨で大きな資産をなした特定の人が突然大きな金額を動かすことで生まれたかなり得意なマーケット。今の熱狂は長続きしないが、NFTという技術そのものは長期的にはマーケットに重要な役割を果たす。

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