ばあちゃんの願いを一つ叶えた
息子が家を建てて1年が経った。
とんでも家族の引っ越し騒動の後、新居には招かれたことが無い。
こちとら忙しいし、そんなに気にしてなかったが、春くらいにばあちゃんが、
「マサはいつ新居に招待してくれるのかしら?」
と言い出した。
行きたいんだ!⁈
そうか、世間的常識からいったらそういうもんか。
一般常識に特に疎いことを、こう言う時に自覚する。
私の中では、せっかく姉が建築士なのに、建売を購入しちゃった息子の家は、ただの引越し先で、特別な思い入れも無かった。
私の密やかな夢、姉弟で家を造る的なものが、肩透かしをくって、なんだかなあ〜案件のひとつだ。
特にこの件は、取り立てて話題にもせず、心の中で棚上げしている。
ま、ヤツも若いし、そのうち2軒目とか言う可能性も…無いか…いや、未来はわからん…とか、また密やかな夢の一番後ろに並べた。
でも、ばあちゃん的には孫の新居は行きたいところらしい。
コレは叶えてやらねばならぬだろう…。
息子に言うと、
「片付けが終わらなくて無理!」
まあ、息子は休みがほとんど無い、台風でも現場があるブラックな植木職人。
未就学児3人をお嫁ちゃんがみている。実家のお母さんも闘病中とあっては無理もない。
…と思うが、とんでもひい婆さんは、しょっちゅうプレッシャーをかけて来る。
なので、私も息子にプレッシャーをかける。
ばあさんの寿命が来ないうちに、一度招待してやってくれと…。
お昼代出すから、お昼を食べてサクッと帰るので…と。
半年間の攻防の末、やっと訪問が叶った。
例によって親族大移動かと思ったが、姪っ子の訪問入浴と被り、ばばあずだけ連れて行くことにした。
ばあちゃんから前日お祝いをあげたいと連絡があった、電気滞納問題があるくらいなのに、1月に出る給付金を当てにして3万包みたいという。
イヤダメ!向こうだって当てにしてないんだから要らないよと言ったら、お姉さんにもらった1万円が手元にあるという。
なら、それを充ててくださいと言った。
昔の感覚大事だけど、生活が回らない中でやるもんじゃないと思ってる。
先日娘がばあちゃんにと、正月飾りを作ってあげた。
ばあちゃんは縁起物だから買いたいと5千円包んで渡すという。
いや、アレはあげたものなのに…
「買いたいの?
じゃあ、千円でいいよ、私が4千円足して渡すから!」
と、なぜか、ばあちゃんの思いを果たす為に、埋め合わせをする羽目になった。
常識知らずのワタシが、常識に振り回されるの図。
息子宅の新居訪問。
ばあちゃんは、子どもたちにココアゼリー、大人にコーヒーゼリーを作って持って行った。
おばさんは、朝も早よから電車に乗り継ぎ、駅でピックアップした。駅のたい焼き屋さんで、めでたい鯛焼きを、大量に仕入れて。
息子が用意した昼食、寿司、ピザ、オードブル。
食事を終えて、普段人見知りの子どもたちはホームグランドなので、のびのびしてる。
ばあちゃんたちに色々おもちゃを見せてくれる。
冬休みの体づくりの宿題があるらしく、娘は外で縄跳びの指導。
体力担当。
夕方前に退散して、一旦自宅で犬たちをピックアップして姉宅へ移動。
いつもの生存確認の宴だ。
帰りにLINEが入る。
3万云々の問い合わせ時に、一旦札を抜いたらしい…。
ポンコツの遺伝は、間違いなくココにルーツがあった。
後日、昼食代と一緒に振り込んだ。
「マサのうちどうだった?」
と姉に聞かれてばあちゃん
「ゆーこの設計良かったよ」
いや、アレ建売だから、設計違うよ!」
「え?そうなの?」
ソコ、知らなかったのか????
どうしてそうなった????
ばあちゃんの行きたかった理由はそこだったのか????
娘が設計したと思い込んでる割に、設計についての質問とか、全然なかったけどなあ?
謎は深まる…。
とんでも家族。
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