数年越しの訃報

ある日気まぐれに、自分の出身高校、出身大学のSNSコミュニティを覗いてみた。私自身に加わる気はなく、どうなっているのだろうかと興味本位での行動だった。

そうしたら、割と好きだった先生が亡くなっていた。しかも数年前に。

私が卒業したときには、それから10年もしないで亡くなるとは思えないほど元気だったと思う。いつものように、快活に送り出してくれたんじゃないだろうか。卒業式のことなんて、大学の合否ばかり気になっていて、何一つ覚えていないのだけれど。

公立校育ちのため、会いに行っても、お世話になった先生が異動していていないことはよくあるから行くことにあまり意味がないように思えるし、私は母校へ足を運ぶタイプの卒業生ではない。高校も大学も、卒業したきり一度も行っていない。

卒業式の日にひたすらLINEグループを退会していた方なので、そういった情報が入ってこないのは至極当然なのだが、その訃報は、小さなショックだった。

時の流れは残酷で、人はいずれ死ぬのだと、突きつけられた。それにしたって、早くないかとも思う。

もう傷つかなくてすむように、知らないままでいられるように、捨てた繋がりの残骸を、今度こそ燃やし尽くしてしまおう。もう二度と、出身高校や大学のSNSコミュニティなんて覗かない。


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