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金の簾の奥より送る観測レポート はじめます

エッセイとニュースレターを合わせて届けられないだろうかとずっと考えていた。個人サイトで毎週更新しようとして、忙しさと縛りのなさに挫折した。

そんなときにnoteの定期購読マガジンに思い至る。更新しなければ運営さんから機能を停止されてしまうし、何より定期購読の読者がいる。

やることを宣言し、お金を頂いたら、やらないわけにはいかない。こうして私は退路を断った。

何が読めるマガジンなのか

月2回、15日と末日にエッセイ、近況報告、最近考えていることを綴ったニュースレターを更新する。

エッセイの内容は私の日常と専門ジャンルや事業内容を織り交ぜていく予定だ。

実際どんなものか見てみないと定期購読は躊躇われることもあると思うので、初月無料としている。気軽に読んでみてほしい。

『金の簾の奥より送る観測レポート』の由来

高校生の頃、誰かが私の目をこう評した。

「睫毛がまっすぐで金色で、金色の簾がかかっているみたい」

金色の簾。簾、すだれ。何とも雅な表現だ。『枕草子』の一節にあってもおかしくない。

「睫毛の影や光の当たり方かな? 瞳の色も毎回違って見える」

瞳の色まで違って見えるとは思いもしなかった。朝に鏡を見るとはいえ、他人の方がずっと私を見ている時間は多い。

私の睫毛を金の簾と表現されたことが興味深く、その言葉だけが記憶に残っていた。今や誰だったかも定かではないけれど、その表現だけはこれからも忘れない。

そして、私の睫毛はちょっとした謎を抱えている。

私はアルビノゆえに肌や髪の色素が薄い。ないわけではなく、薄い。

生まれたときは誰がどう見てもこれは金髪と言うに違いない、プラチナブロンドだった。

しかし、成長につれて髪の色は濃くなり、ミルクティーブラウンなどと表現される色になった。これを金髪と言う人もいれば、明るめの茶髪と言う人もいるような色。

ところが、睫毛と眉毛だけは生まれた頃の髪の色と同じ色のままだ。なぜかはわからない。

生き死にに関わる現象でもないけれど、私にはそれも興味深い謎の一つだ。

金の簾の奥、私の瞳から見る世界も睫毛の影や光の当たり具合で違うものを観測できるのだろう。

そんな私の見る世界を記録し、伝え、残す。このマガジンをそういうものにしたくて、『金の簾の奥より送る観測レポート』とした。

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雁屋優 サイエンスコミュニケーションを学び、実践し、ライターとして書き、趣味で小説も書く。読書も好き。アルビノ(眼皮膚白皮症)や発達障害、…

執筆のための資料代にさせていただきます。