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「匿名の人」に寄り添うことを。

私が開発している「WorkEx」は一言でいうと、「HRサーベイ」です。
世の中的には「社員満足度調査」とか「エンゲージメントサーベイ」とか、そんなやつです。
あぁ、あれね、忙しい時に時間とられるめんどくさいやつね。
と思われた方も多いんじゃないでしょうか。

私も会社員時代そうでした。
どうせこんなことに回答したって、何も変わらないでしょ、なんて思っていました。
「自由にご意見をお書きください」という自由記述欄は、面倒なのと、
記入して個人特定されたら自分が損するだけでしょ、と思いもちろん白紙。
周りの人もそういう人が多かったように思います。

しかし、「WorkEx」には、なぜか自由記載に山ほどコメントが書き込まれていることに驚愕!!!!
なんと、まさか…という二度見状態です。
正直、HRサーベイ以外の一般的なアンケートでも自由記述欄にまともなコメントが集まることなんて、滅多になく…
回答を必須にしていたとしても「特になし」とか「別に。」とか、冷たい風が吹くようなコメントばかり。

それなのになぜ、、こんなに有益なご意見の数々を書き込んでくれるのか…
しかも、腹を割った、本気の、真剣な、熱がこもったコメントの数々。
ネガティブなことも、本気で書いてくれている。
決して単なる悪口ではない。
組織のおかしいところはおかしい、と真っ直ぐに、論理的に、真剣な言葉で書いてある。
一つ一つの声の重みがずっしりと心に響く。

これは、、感動する…
正直、「サーベイなんて意味ない」という世の中の風潮に、心が折れそうになった時もある。
でも、意味なくなんかない!!!と大声で叫びたいような気分。。

実は、「WorkEx」はかなり辛辣な設問が多いのが特徴。
「仕事ができない人にもやさしい会社である」とか
「社内調整が多すぎて、本質的な仕事ができない」とか
「会議では、何を言ったかではなく、誰が言ったかが重要だ」とか。
そういう設問を、嫌う人もいる。
でも、そういう設問にしているからこそ、「あぁ、自分のことを分かってくれるかもしれない」と心を開いて、私たちのことを信頼して、コメントを書いてくれているのではないか‥‥
と感じて、なんだか匿名の回答者と、心が通じ合ったような気がして、涙が出そうに感動した。
こっちが真剣に向き合うと、相手も本気で応えてくれるんだな、と血の通ったアンケートの大切さを実感。
アンケートだけじゃない、プレゼンでも、メルマガでも、宣伝でも。
かっこいい横文字を使って、表面的な、ビジネスライクなことを並べても人の心はつかめない。
カッコ悪くても、野暮ったくてもいいから、真剣に向き合って、寄り添って、自分の言葉で語ることの大切さを改めて実感しました。

この仕事、やっててよかったな、、
こういう真剣な声を、何よりも大切にして、企業の経営者に伝えなければ。真剣な声をあげてくれる人が、思いっきり仕事を楽しめるような社会にしたい、と身の引き締まる思いです。


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