好きなものたち。「リア王」のこと

ずいぶんご無沙汰しています。
伊勢ワーケーション用に作ったこのアカウントをどう動かしていいかわからず、ずっと放っておいていました。
基本的にはTwitter(私にとってはずうっとそう)の住人で、告知や御礼はブログ、Facebookはたまに、という感じですが、
近頃とみに増えてきた“好きなもの”を書くには140字では足りないので、こちらを使う事にしました。
お付き合い頂けましたら幸いです。

先日拝見してきた「リア王」が、忘れ難い。

 昨年、カクシンハンプロデュース「シン・タイタスREBORN」に出演させて頂いた事をきっかけに、ずいぶん封印していたお芝居、演劇に触れる機会が増えました。
若い時分に、真剣に携わったこともあるシェイクスピア、それでも、15年触れていないと、まるで新しい物語に出会うようで。大好きな松岡和子さん翻訳の「リア王」を初めて読みました。

安野光雅さんの絵がまたいいのだ

「リア王」をそんなに好きじゃないという女性は少なくないかも知れない。私の世代だと、大抵の父親はパワハラモラハラが当たり前だったりして色んな記憶が甦るし、どうにもリアに感情移入できないということは多かったように思う。
けれど、今回の段田さんのリア、は言葉にできないほどチャーミングで、繊細だった。

エレガント!
(記者会見時の写真より)

人生にはいくつもの “たら〜”がある。
リアが、娘たちの愛情の量など計りにかけなかったら、コーディリアが嘘でも父親を喜ばす大仰な言葉を言えたなら、グロスターが私生児エドマンドをもう少し可愛がってやっていたら、起こらなかったかも知れない物語。
それでも、国王である父親の怒りから何もかも雪崩のように崩れ去って行き、残るのは、がらんとした広大な空間と、死、死、死。
段田さんのリアは、一番可愛がっている娘(或いは人生で一番愛する女)に、皆の前で愛してる、と言ってもらいたかっただけの、弱く小さな男の子に見えた。

役者陣の素晴らしさは言うまでもなく、特にグロスターの浅野和之さん、エドマンド玉置玲央さん、そしてゴネリル江口のり子さん!! 
ゴネリルに感情移入する日が来るとは思いませんでした。あぁ、全員について書きたい!
そしてアンサンブルの緻密さに脱帽。

岩崎MARK雄大さんと桃花師匠と

アンサンブルで、昨年ご一緒した岩崎MARK雄大さんがご出演されていました。
身贔屓を差し引いても、シェイクスピアの登場人物の格好良さに溢れ、また立ち姿がお綺麗!
研鑽を積んでいらっしゃる方は違うな…。
私もがんばろう。

久々に、もう一度観たいと思った舞台でした。
今日の千穐楽に間に合う方はぜひ。
地方公演にいらっしゃる方々羨ましいなぁ。
ぜひ。

また書きます。
好きなこと、大切な時間について。
遊びにいらしてください。

 

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