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美味しい牛すじ丼を作る

 牛筋は、国産のものを使った。200グラム程度。

 牛筋の産地には、あまりこだわりはないが、最近思うこととして、レバーもモツも、国産のものは昔ほど臭くない。

 以前は、ホント、吐きそうなくらい臭い時もあった気がするが、今のものは、それに比べれば全然だ。

 牛筋は、下茹でする。

 沸かした湯に入れて、思い切り強火にして灰汁を浮かせる。ささっと、灰汁をすくったらおしまいだ。煮こぼすわけではなく、この湯はそのまま使う。なぜなら臭くないから。むしろ、いい香り。

 調理には、五合炊きの炊飯器を使う。鍋で煮てもいいのだけれど、基本的に、牛筋は、煮かたが甘いと固いままだが、煮すぎると、コラーゲンが煮汁に溶けてしまって、食べるところが無くなってしまう。

 炊飯器なら、炊飯後は、高くても80度程度での保温だから、溶けてなくなってしまう心配はない。また、最近の国産の牛筋は固くない。そのため、調理時間を、それほどかける必要が無い。

 炊飯器には、玉ねぎひと玉、人参中サイズ一本を入れる。

 玉ねぎは牛丼らしく薄切りにしていくが、にんじんは、煮崩れないように、大きめに切る。

 玉ねぎを一番下に。その上にニンジン。最後に牛筋を入れる。水の量が多ければ、牛筋が最後でも問題ない。

 調味料は、しょうゆが大匙3~4、酒が同量か、少し多く。砂糖は、大匙1~2でいい。

 和食のこれ系の調味料は、しょうゆ・酒・砂糖(みりん)を同じ割合で入れると失敗しない。しかし、今回は砂糖を少し減らす。

 実は、牛筋のうまみも、玉ねぎもニンジンも甘い系統の味なので、砂糖を入れすぎると、ちょっと味がきつくなるのだ。

 肉が柔らかく仕上がるかどうかは、酒の量に影響されるので、気持ち多めに入れる。

 最後に下茹でに使った煮汁をいれるが、水の量が足りない場合、炊飯5合のメモリくらいまで水を加える。下茹でに使った煮汁を冷やさずに入れると、釜の温度が高いということで、炊飯スイッチが入らない場合がある。それも踏まえて、水を足した方がいい。

 長ネギやしょうがを入れたい人もいるかもしれないが、最近の牛筋は、ほとんど臭みがないので、臭み取りとしては不要だ。また、しょうがは、味をまとめすぎるので、最初はストレートで味を見た方がいい。長ネギは、ドライでストレートな味と相性が良く、甘辛い味は乗りにくいので、特に好きでなければいらないだろう。

 これで炊飯のスイッチを押す。

 炊飯は、1時間前後だろうか。保温になったら、一度釜を開けて、中を軽く混ぜる。牛筋を上に入れている関係で、煮詰まり方によっては、肉が煮汁から出てしまってい場合がある。軽く混ぜて、肉全体が浸かるように。

 この時に、煮汁が十分にあったら、干しシイタケを入れる。煮汁が少なすぎる場合は、少しお湯を足して干しシイタケを入れる。

 干しシイタケは、長々と煮詰めると香りも味もイマイチになるので、炊飯が終わった後の余熱調理時に加熱する形にする。これで、味も香りもグッと良くなる。

 1~2時間放っておけば、基本の過熱は終了。これ以上保温してもあまり変化はないので、これを鍋に移す。

 鍋に移したら、ガスコンロで強火で加熱する。残った水分量にもよるが、結構簡単に煮詰まってしまうので注意が必要。特に、玉ねぎはすぐに溶けてしまう。あまり混ぜずに、強火で水分を飛ばす。適当に鍋を傾けて、水分が少なくなったら完成だ。

 煮汁には味が溶け込んでいるので、水溶き片栗粉でトロミをつけてもいい。玉ねぎが溶けてしまった場合は、それによってとろみがついていると思うので、無くてもよいだろう。

 オニオンスープのような香りと、牛筋と干しシイタケのうまみが合わさって、とても食べやすく、満足感があるものに仕上がっているはずだ。



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