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生きることと、働くこと。

遥か昔、中学3年生になった頃の私は、「大人になるということは、つまらない人になることだ」といった考えを持つようになっていました。

思春期だし、反抗期だし、受験期ということもあったでしょう。
ランドセルを背負っていた頃は、何か一つ秀でたことをすると、将来を有望視するような身勝手な発言をしていた大人たちが、一斉に現実を突きつけてきたように感じたからです。
それは今の時代も変わらないのでしょうし、じゃあ、他にどうあるべきなのかというと答えは出ません。

私自身、大学生と高校生の子供がいて、それぞれ受験を経験したわけで、現実を突きつけたはずだからです。

一つ、自分の頃と違うのは、彼らが幼い頃にむやみに「大人になったら何になるの?」という質問をしなかったということくらいかもしれません。
自分が聞かれて嫌だったことは、他の誰かにしない。ただ単にそれだけのことですが。


彼らが大学受験、高校受験をするタイミングで、私自身が「働くこと」に重きを置いた時期があります。
というのも、私は長いこと全般性不安障害を患っており、外出するのが辛かった時期がありました。そこから回復し始めた頃に目指したのが「正社員として働くこと」でした。

部活や勉強、そして受験を頑張る子どもたちの側にいる自分を客観視したら、応援だけしていていいの?という気持ちになったのです。

全般性不安障害の頃の私が、何もできなかったといえば嘘になります。それなりにボランティア活動はしていたし、もちろん子育ても頑張っていました。
でも、当然ながらこれらは無償です。むしろ出費があります。
加えて、医療費がかかるにも関わらず、何年飲み続けても「具合が悪い」と口にしている。

「薬なんか飲んでも意味なんかないでしょ?」
「また、すぐ具合が悪いとか言う」

元気そうに見えるのに、不安だとか具合が悪いとか言うんだから、理解されなくても当たり前ですよね。


生きることと、働くこと。

この国では、40歳を過ぎた実績のない女性が正社員として働くにはハードルがあります。
けれど、あえてそこに挑戦する意味があると思いました。

ある時、ママたちのランチでの会話の中で、私が正社員に挑戦しようと思っていることを言うと、

「正社員は無理でしょう。せいぜい派遣社員じゃない?」

と皆がうなづいたのです。
そうか。だったら絶対に叶えてやろう。
全般性不安障害なんて長く患っていましたが、もともと私はそういう人間です。

そして、紆余曲折あり、正社員採用。
そして、紆余曲折あり、フリーランスに。

ことに、東日本大震災があってからの私の人生の歩みは、本当にクルクルと環境が変わりました。自ら変えていったので、納得はしています。

生き方を自分で選び、挑戦し、変化していった。
そして今また、生き方を自分で選び、挑戦し、変化している。

納得する理由は、これに尽きます。
つまりは、私はこれからもこんなふうに生きていくのだと思っています。これから社会人になる子どもたちの手本にはならず、同じように模索している位置にいたいと思っています。


50代が近づくにつれて、「大人になるということは、つまらない人になることだ」と思っていた自分に言えることがあります。

「つまらない人には絶対にならないよ」と。

そもそも、つまらない人なんか、これまでの人生の中で一人もいませんでした。変わった人、面白い人、おとなしい人、怪しい人、素敵な人、おしゃれな人、静かな人、よく笑う人・・・。

出会った人の中で「つまらない人」に当てはまる人は誰一人いないよと。

そして、働いている自分が、今、やっと好きになれているということを。
誰かのために行動している自分が、
疲れるし大変だけれど、充実しているということを。

さて、明日もがんばろう。
明日からも、がんばろう。


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