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あの角にあった紫陽花は、どんな色で笑っているか。

近所の紫陽花が咲き始めています。毎年、わたしの背丈を有に超える高さにまで枝葉を伸ばしてから花を咲かせます。
生命力を感じすぎて、いつも複雑な気分になります。


生命力を感じすぎる・・・
って言うのも、変な発想なんですがね。笑

というのも、紫陽花の花の季節が終わってしばらくすると、驚くくらい小さく剪定されるからです。
わたしの腰の高さくらいまで剪定されて、ミニマムな姿をさらして何ヶ月もそこにいるのです。

春を感じ初めた途端に、じわりじわり。
春になったのを自覚した途端に、ぐんぐん。

そうして毎年、わたしの背丈を越えてモリモリ育つのです。



あの角にあった紫陽花は、どんな色で笑っているか。

恥ずかしいくらいに花のことを知らないわたしは、紫陽花について「びっくりするぐらい生命力を感じる花」という認識で何年も生きていました。

花の情緒を楽しむというよりも、「お!今年もモリモリし始めたな!」なんて具合です。

そんな発想が少し変わったのは、昨年の今ごろのことでした。

当時一緒にお仕事をさせていただいていた方と、お昼休みにランチに出た場面でのこと。
オフィスを出て少し歩いた街角に、やはり紫陽花が咲いていました。
うちの近所のモリモリ紫陽花とは違い、もっと全体的に小さく、街角に咲くには邪魔にならない大きさで咲いていました。


「知ってる?紫陽花の花の色って、土で決まるんだって」
「え??? なんすかそれ?」

酸性土で育った紫陽花は青く。アルカリ性の土で育った紫陽花は赤くなるのですね。教えてもらうまで全く知りませんでした。
ずっと青く咲いていた紫陽花が、何かをきっかけに色が変わってしまうこともあるそうです。土の性質が変わってしまうこともあるらしい。


わたしの中で「生命力を感じる花」だった紫陽花は、実は繊細な花だったのか?と思いつつ、その時に応じて表情を変える花だという気持ちにもなりました。

一年後、わたしは自分に変化を求め、あの角にあった紫陽花の横を通る毎日から離れました。一緒にランチに行った彼女は、コロナをきっかけに在宅勤務がメインになったとのことです。

昨日、近所に咲いた紫陽花の写真を送ってくれました。


同じ場所にいたとしても、少しずつ変化する。
違う場所にいたとしても、少しずつ変化する。

それならば、キレイに咲きたい。
それならば、生き生きと咲きたい。

雨上がりの朝に目にした、生命力を感じる紫陽花は
今年も大きく咲くはずです。

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