見出し画像

いつも、その席にいる人。

基本的に家で仕事をしますが、今の季節、外を散歩したくなるのと仕事が捗るという理由でカフェに行くことが多いです。

カフェの位置づけではないかもしれないけれど、たまにドーナツ屋さんに行くことがあります。リーズナブルなので、最近は高確率で行くかもしれないです。

ドーナツひとつと、温かい紅茶を毎回オーダー。言い方が良くないかもしれませんが、いつでも空いているドーナツ屋さんなので安心感があります。
テーブルも大きくて、PCもノートも広げられるのでなかなか良きなのです。

長時間座っていると、小さい親子連れがたまに来たりして微笑ましいです。そういえば私も娘が小さい頃は、抱っこして二人でドーナツを食べていたなと思い出します。(食べていればご機嫌な人だった。)

2、3歳くらいだと、お話しはできるけれど我が強くなるんですね。ママが「ダメだよ」と注意することを何回もして怒られて、奇声を上げてしまう子もいたりします。

PC広げてカタカタしている私は、このママさんからすると「お仕事の邪魔になってしまうかも・・・」なんて思われてしまうかもしれない存在です。ジロジロ見ないようにするのが精一杯で、極力気にしていないフリをするのが唯一の気遣いなのかと考えたりしています。


いつも、その席にいる人。

良い感じでいつも空いているこのお店の席に、いつもいる白髪の男性がいらっしゃいます。もう何年前にリタイアした感じの年齢かと思われます。

私は毎日ここに来るわけではないのですが、たまに来ると必ず同じ席にいるのです。

そうして、いつも何やらつぶやいている。

「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」

初めのうちは独り言の多い、若干怪しげな人だなぁと思っていたのですが、最近、英語の勉強をされていることに気づきました。

いつも背中側からしか見えないので、細かい様子は分からないのですが、周りに聞こえそうで、はっきりとは聞こえない声で、英語を復唱しているのです。

それから・・・。

だいたい私とすれ違いに昼頃には去っていかれるのですが、その時にお店にいる小さい子に、軽くスマイルして出ていかれるのです。
本当にさらっと。押し付けがましくなく。

ぐずっている子が、ふっと気を取られて大声をあげるのを止めるくらい。


ああ。素敵な人だなと思いながら、私はPCに視線を戻すのです。
そして、子どもたちが小さい頃、出かけるたびにあちこちに気を遣っていたことを思い出します。

いつも、その席にいる人は、恐らく毎日そこにいるのでしょう。
次に会った時、またその背中を見るのが少し楽しみです。

押し付けない優しさが好きだなと、
その背中を見ながら私は思うでしょう。

押し付けない優しさが、好きだなと。

日常のふとした瞬間や閃きを、毎日書き記しています。 応援してくださると泣いて喜びます(T_T) Twitter:https://twitter.com/yurari_0_0