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そこに、いた証明。

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記憶に残る、大切な人たちとの瞬間を切り取ったもの。
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#とは

私だけの「おかあさん」じゃなくなった日。

うちの娘は、今は大学生。 そんなに賢くはないけれど、妙にドンと構えているところがあって、頼りになる。 数年前の夏場、住んでいるマンションが大規模修繕となり、一ヶ月くらい窓を開けることができなかった時期がある。酷暑だというのに空気の入れ替えができなかったことが原因なのか? その時だけ、ゴキちゃんが初めて我が家に出没した。 「ひぃーーーーーーーーーーー」 と絶叫し、隠れる息子(当時小学生)と私。 「ちょっとまってー」 と、ゴキちゃん退治用のスプレーを手にする娘(当時中学生)

「助けて」と言える勇気が救うもの。

子供という存在は、可愛いが憎たらしい。そう思わないか? 寝顔を見れば天使だけれど、昼間の癇癪を目の当たりにすれば、悪魔そのものだ。 キレイ事ではないのだ。 相談できる親もいない。夫に相談すれば、「保育園は働いている人しか子どもを預けられないよ」と、視点の合わない返事。 夏の暑さ。繰り返される癇癪を前に、叩くだけではおさまらず、足蹴にした。そして、私は泣き崩れた。 子供が泣く時、思い切り泣く時、その姿をみる時、 「そんな風に泣けるなんて、うらやましいな」と私は思う。 大