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紫がたり 令和源氏物語

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青木紫 が語る「令和源氏物語」。創作を盛り込んだ現代語意訳です。 千年前でも現代人でも変わらないのは人の心。 光る君の生涯「桐壺」から「雲隠」まで、449話にて完結です。
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#若菜上

紫がたり 若菜・上下 を通じての主要点

みなさん、こんばんは。 長かった若菜・上下がとうとう終わりました。 上下合わせて64話。 私…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第三百三十四話 若菜・上(二十八)

 若菜・上(二十八)   「陽も暮れてきたのでそろそろこちらへおあがりなさい」 源氏は若者…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第三百三十三話 若菜・上(二十七)

 若菜・上(二十七)   それは三月の頃、空はうららかに晴れて土の香が高く温かい日和でした…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第三百三十二話 若菜・上(二十六)

 若菜・上(二十六)   源氏は女三の宮の待遇を別格として鄭重にお世話しておりましたが、宮…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第三百三十一話 若菜・上(二十五)

 若菜・上(二十五)   入道は明石の上が生まれてから長年たて続けた願文を大きな沈の箱に収…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第三百三十話 若菜・上(二十四) 

 若菜・上(二十四)   遠い明石の浦にて春宮若君誕生の知らせを聞いた入道は、自身の現世に…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第三百二十九話 若菜・上(二十三)

 若菜・上(二十三)   翌三月の十日過ぎに女御は無事に男御子を出産されました。 大騒ぎした割には安産で産後も順調であるのを源氏はほっと胸を撫で下ろし、春宮へ皇子の誕生をお知らせすると、それはもうお喜びになり、早速勅使を遣わされました。 春宮は一刻も早く我が子をご覧になりたくて仕方がないご様子です、と使者が喜びの口上に頭を垂れるのを、女御は期待通りに皇子をもうけられたのが嬉しく、神仏に感謝の念を奉げずにはいられません。 母となり子を愛しむ心が育まれ、無事に産まれてくれたことな

紫がたり 令和源氏物語 第三百二十八話 若菜・上(二十二)

 若菜・上(二十二)   年が改まり、いよいよ明石女御の産み月が近づいているようで、お腹は…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第三百二十七話 若菜・上(二十一)

 若菜・上(二十一)   十月になり、紫の上は嵯峨野の御堂で薬師仏の供養をすることになりま…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第三百二十六話 若菜・上(二十)

 若菜・上(二十)   紫の上と女三の宮の顔合わせの場には明石の姫も同席しておられました。…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第三百二十五話 若菜・上(十九)

 若菜・上(十九)   源氏の娘、春宮女御明石の姫君は慣れない宮中での生活で、ここのところ…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第三百二十四話 若菜・上(十八)

 若菜・上(十八)   あの人のまっすぐなところは昔のままであったよ。 源氏は昼陽から姿を…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第三百二十三話 若菜・上(十七)

 若菜・上(十七)   朧月夜の君と源氏。 一夜の邂逅で過ぎた歳月が埋められるとは、やはり…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第三百二十二話 若菜・上(十六)

 若菜・上(十六)   その日、源氏はそわそわと落ち着かぬ様子でした。 女人に逢いに行くに違いない、と勘の良い紫の上には察せられましたが、そ知らぬ風を装っております。 「二条の末摘花の姫が長らくご病気で伏せっているのだが、女三の宮の輿入れなどで立て込んでお見舞いにも行けなかったもので、ちょっと出かけてきます」 そういって念入りに身だしなみを整えるのを紫の上は冷ややかな目で見つめておりました。 二条ということは朧月夜の尚侍であろう、とおのずと知れるものです。 しかし紫の上はもう