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紫がたり 令和源氏物語

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青木紫 が語る「令和源氏物語」。創作を盛り込んだ現代語意訳です。 千年前でも現代人でも変わらないのは人の心。 光る君の生涯「桐壺」から「雲隠」まで、449話にて完結です。
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#明石の上

紫がたり 令和源氏物語 第三百四十六話 若菜・下(十二)

 若菜・下(十二) 試楽の女楽の楽器は紫の上が和琴(六弦琴)、女三の宮が琴の琴(七弦琴…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第三百三十一話 若菜・上(二十五)

 若菜・上(二十五) 入道は明石の上が生まれてから長年たて続けた願文を大きな沈の箱に収…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第三百三十話 若菜・上(二十四) 

 若菜・上(二十四) 遠い明石の浦にて春宮若君誕生の知らせを聞いた入道は、自身の現世に…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第三百二十八話 若菜・上(二十二)

 若菜・上(二十二) 年が改まり、いよいよ明石女御の産み月が近づいているようで、お腹は…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第二百二十二話 初音(二)

初音(二) 源氏は身支度を整えると女君たちの元へ新年の挨拶に出掛けることにしました。 贈…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第百七十四話 薄雲(二)

 薄雲(二) 雪が少し溶けた頃、源氏はふたたび大井の山荘を訪れました。 春の足音がすぐそ…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第百七十一話 松風(八)

 松風(八) 若い貴公子達はわいわいと源氏に屈託のない笑顔を向けてきます。 「源氏の大臣。昨夜の見事な月を愛でようと追ってきたのですが、間に合わず、露を踏み分けて今朝お伺いしたという次第です。紅葉はまだですが野の花などは秋めいておりますよ。小鷹狩りなどに出掛けたものもおりますのでいずれ合流するでしょう」 と頭の中将、兵衛督(ひょうえのかみ)などはこのまま源氏をおとなしく京へ帰してくれそうにありません。 「思わぬ大人数になりそうだね。光栄なことだが、ここでは手狭すぎるな。桂の

紫がたり 令和源氏物語 第百七十話 松風(七)

 松風(七) その日源氏は嵯峨野の御堂の方へ出向き、お勤めする者たちにさまざまな供養の…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第百六十九話 松風(六)

 松風(六) その宵は実に趣深いものでした。 明石の上は源氏に会えなかった三年近くを不安…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第百六十八話 松風(五)

 松風(五) 陽が高くなり、ゆるゆると進む牛車に揺られ、二条邸から離れるとすぐに明石の上…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第百六十七話 松風(四)

 松風(四) 源氏は明石の上と小さい姫がすぐそこの大井の山荘にいると思うだけで居てもたっ…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第百六十六話 松風(三)

 松風(三) 一行は源氏が定めた通りに順調に旅路を進み、人に知られぬようにと細心の注意を…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第百六十四話 松風(一)

 松風(一) 二条邸の東院が立派に完成し、源氏はまず最初に花散里の姫をここに移しました。…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百三十九話 澪標(七)

 澪標(七) 明石の上は翌日住吉大明神に供物を捧げて、無事に旅の目的を果たしました。 そうして明石の邸に戻ると、そこには源氏からの使者が手紙を携えて畏まっておりました。 みをつくし恋ふるしるしにここまでも       めぐり逢ひける縁は深しな (身を尽くしてあなたを恋い慕った私の想いが届くでしょうか。このようなところでもめぐり会えるとは私達の宿縁の深さが思われますね) 自分の存在さえ知られていないと沈んでいた明石の君は源氏からの文に感動をおぼえ、畏れ多くもありがたいと涙