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紫がたり 令和源氏物語

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青木紫 が語る「令和源氏物語」。創作を盛り込んだ現代語意訳です。 千年前でも現代人でも変わらないのは人の心。 光る君の生涯「桐壺」から「雲隠」まで、449話にて完結です。
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2022年11月の記事一覧

なぜ女性は浮気相手の女を責めるのか・・・

みなさん、こんにちは。 今日は私が常日頃疑問に思っていることを考察しようと思います。 まぁ…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百八十七話 朝顔(五)

 朝顔(五)   源氏の近頃の仕事はといえば毎日熱心に朝顔の姫宮にお手紙を差し上げることが…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百八十六話 朝顔(四)

 朝顔(四)   源氏は真剣に朝顔の姫宮との結婚を考え始めておりました。 世間というものは…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百八十五話 朝顔(三)

 朝顔(三)   朝顔の姫宮は亡き父を偲んで静かに暮らしたいという心を踏みにじられ、恋心を…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百八十四話 朝顔(二)

 朝顔(二)   朝顔の姫宮がお住まいになっている棟には鈍色の縁取りをほどこした御簾が掛り…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百八十三話 朝顔(一)

 朝顔(一)   天変は収まり、世は平穏を取り戻したものの、諒闇(帝が喪に服していること)…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百八十二話 薄雲(十)

 薄雲(十)   秋の宵は深まるほどに物思いが増すものです。 紫の上の元へも渡らず、源氏は手慰みに歌を書き散らして気を紛らわせておりました。 先程の斎宮の女御に懸想を滲ませた軽率を恥じているのです。 自ら苦悩の種を撒く己の性質をまったく厄介であるよ、とまた深い溜息を吐く。 今紫の上と目を合わせれば、あの差しこむような澄んだ瞳を疚しさゆえに直視はできないでしょう。 それどころか他の女人を想っていたことを見透かされてしまうでしょう。 紫の上が明石の小さな姫を本当の娘のように慈し

紫がたり 令和源氏物語 第百八十一話 薄雲(九)

 薄雲(九) 秋も盛りの頃、夏の暑さで体調を崩された斎宮の女御(梅壺女御=六条御息所の姫…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百八十話 薄雲(八)

 薄雲(八) 源氏は退出の道すがらお主上の思い詰めたような瞳を思い返しておりました。 私…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百七十九話 薄雲(七)

 薄雲(七) 帝は人知れず苦悩しておられました。 この世にただ一人となった身と思っていた…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百七十八話 薄雲(六)

 薄雲(六) 母・女院の四十九日の法要を終えても、冷泉帝の悲しみは一向に癒されるものでは…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百七十七話 薄雲(五)

 薄雲(五) 数々の祈祷の甲斐なくいよいよ女院の御容態が芳しくないと聞いた源氏はせめて最…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百七十六話 薄雲(四)

 薄雲(四) 年が改まり、源氏は三十二歳、紫の上は二十四歳になりました。 二条邸は小さな…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百七十五話 薄雲(三)

 薄雲(三) 源氏が二条邸へ戻る頃には、陽はとっぷりと暮れておりました。 いつのまにか姫は可愛らしい寝息をたてて、すやすやと寝入っております。 源氏はそっと姫を抱き上げると紫の上の住む西の対へと運びました。 「まぁ、なんて愛らしい稚児なのでしょう」 紫の上はその姫の品よく愛らしい様子に声を潜めて感嘆しました。 そっと触れた頬は柔らかく、愛しさが込み上げてきます。 姫はふと目を覚ますと辺りを見回しました。 見たこともない邸で知らない女人が顔を覗き込んでいるのです。 優しげな美