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それでも私たちは今日も食べる。

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楽しくても、うれしくても、落ち込んでも、悲しくても、 それでも私たちは食べて生きていかなくてはいけないから。 日頃食べるごはんで気づいたこと、思ったことを書くエッセイです。
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記事一覧

「おいしい」との出会いが私をボーダーレスに。やりたい!と食べたい!のわくわくを翻訳して届ける食PRの新たなカタチ

キッチハイク「ふるさと食体験」メンバーインタビュー第17回目は、ファシリテーターを務める松浦裕香里さんです。 体調不良がきっかけで「食」の楽しさに気づいたという松浦さん。食を仕事にするまでのお話とキッチハイクとの不思議な出会い、都内でのお引っ越しの理由について聞きました。 食を仕事にしたときに「仕事を楽しむ」エッセンスをもらったーー松浦さんは食に対する愛がとても深くて、現在は食のPRとしても独立されていますが、そうなるまでのお話をお聞きしたいです。 実はもともとは新卒で

コールドストーンで学んだ今でも大切にしたい幸福論|#口福論 vol.1

あなたの学生時代のアルバイトをした場所はまだありますか? 大学1年生の春、バイト選びをする私の絶対条件は「髪型自由」「フリーシフト」「食べ物屋さん」でした。 時は2007年、今ほど多様性という言葉もまだなかった時代、そんなオルタナティブなバイト先がなかなかない中、選んだバイト先は「コールドストーンクリーマリー」でした。 コールドストーンとは ー 2005年に日本初上陸のアメリカ発のアイスクリームショップ。マイナス9度に冷えた石の上で、テンポよく歌とダンスに合わせてアイス

母から娘へ糠のバトン

アフターコロナとか、ウィズコロナだとか"ほにゃららコロナ"なんて言葉もあるけれど、いろんな専門家の意見を読む限り「ウィズコロナ」なんだろうなあ。一番嫌だなあ、その世界、なんて思っている。 おうち時間も、真面目に取り組むことそろそろ1ヶ月。ビフォアーコロナの世界では考えられなかった、パン・菓子作り、DIY、畑を始めた方まで…SNSでは溢れている。ここ最近は「〜チャレンジ」「〜バトン」なんてものまで流行っている。正直、バトンものは面倒くさがりの私には相性が悪い。基本的には丁重に

餃子から"うつる"、 豊かさ。

他人が餃子を食べているのをみると、なぜ人は食べたくなるのだろうか。常々それが疑問だ。ケーキにラーメン、焼肉…色々あるメニューの中でも餃子はその「伝染力」が尋常じゃない。 休日夕方のTLに溢れる餃子投稿週末になるとInstagramもTwitterも、そこかしこのSNSのTL(タイムライン)になぜか餃子の画像が流れてくる。4月に入ってから、おうち時間が増えたのに比例してバリエーションも増えた。焼き餃子、水餃子、蒸し餃子、揚げ餃子…どれも具材のバリエーションも豊かで、そのしずる

毎日の食器だから、生きている器で

私は毎日汁物を飲む。お味噌汁だったり、スープだったり。1日一杯飲むだけでカラダがポッとして落ち着くから。実家にいた頃からの習慣で、これだけは欠かせない"私の食のこだわり"のひとつ。だからこそ、これを機に器を「ずっと使いたい器」に変えてみた。 先日、冬の間に注文していた新しいお椀が自宅に届いた。初めてオーダーした「輪島塗」のお椀。漆器は昔から好きで、少しずつ集めていたけれど、お椀を買ったのは初めて。これが私の「ずっと使いたい器」だ。 開封の儀すら尊いちょっぴりレトロな包み紙

母とジョーズと自炊と -サメの煮物-

よく「そこまで作って食べることにこだわるのはなぜですか? 」 と質問されることがあるのですが、 それは間違いなく母が作ってくれた料理の影響だ。 我が家の食卓はおかずが基本的に2-3品、 お味噌汁と炊きたてのご飯がデフォルト。 我が家は当時としてはまだ珍しかった共働きの家庭だったけれど、 どんなに忙しくても食卓に「出来合いのお惣菜」が並ぶことはなかった。(だから幼い私にとっては、デパ地下のお惣菜が憧れ。) そんな母が作ってくれる料理の中でも大好きなおかずがいくつかあ

ゆるい焼きそば、それでいい。

元々フリーランスだからオフィスは自宅だし、年中リモートワークみたいなものだけど家から出ない時間は圧倒的に増えた。 打ち合わせも、飲み会も今はオンライン。元々ズボラでちょっとだらしない性格の自分には、今のこの世の中の流れは嫌いじゃない。 昨日、久しぶりにスーパーに立ち寄ったらマルちゃん焼きそばが安売りされていた。なんだか無性に食べたくなって、一人暮らしには荷が重いけれど、3食入りのマルちゃん焼きそばを自宅に連れて帰った。 マルちゃん焼きそばを食べるのは久しぶり。春キャベツ