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あの悲しかった日々、陽が沈んだ部屋の暗いベッドの上で、昔の自分を思い出していたのは

「あなたは、どんな子供でしたか?」

もしも興味がある人に、何でも質問していいよって言われたら、わたしは迷わずそう尋ねるだろう。

今の自分が居る場所は、必ず過去のどこかから繋がっているのだから。

17歳のわたしは、陽が落ちて暗くなった部屋のベッドの上で、ただ壁にもたれかかって座っていた。

なにをするわけでもない。なにがあったわけでもないのだけれど、ただなにかが悲しくて、ずっと涙を流していた。

なんだか自分がしてきたことのすべてが、悪いことだったような気がして、一体どこで間違ったのか、どこから道が狂ったのか。過去のどの地点が、今のわたしに繋がっているのか、

目が覚めるたび考え、そして泣いていた。

わたしは何度も何度も頭の中で、今の自分と過去の自分を往き来した。

あみだくじの分岐点をひとつひとつ確かめるように。びっしりと黒い線で埋めつくされた複雑な迷路を、なんども辿るように。

あのときからずっと、感情の答え合わせをするのはわたしのクセになった。なぜあの時あんな行動をとったのか。本当はどうしてほしかったのか。なにを吐き出しすぎて、なにを押し殺しすぎたのか。

いまはもう、1日中ベッドの上になんていないし、暗いままの部屋にもいない。たくさんの人と関わって、新しい毎日をつくっているけれど。

それでも今も、立ち止まっては何度も昔を振り返り、答え合わせをする。

あの日、暗くなった部屋のベッドの上で、電気も付けずに考え込んでいたのは。紙についた黒鉛が手にこすれて真っ黒になるほど、なんどもなんども迷路をいったりきたりしたのは。

そのわけは、感傷に浸るためなんかじゃなかった。

いまの自分は、いったい過去のどの部分からつながっているのか。
いったいどこで、自分の人生の何が、ここに繋がってるのか。

その答え合わせをするためだったんだ。


もう二度と、無意識の波にのまれて、翻弄されることがないように。

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おいしいごはんたべる…ぅ……。