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来歴の記憶

1.

 やあ、はじめまして。
 それとも、ずいぶん久しぶり、かもしれない。多生の縁あって今ここに訪れている貴方、ようこそ。ここはこの世で何番目かの『わたしのばしょ』だ。とりあえず、今のところは。

 留まるも立ち去るも自由、なんて言ってしまうと、踵を返す人の方が多いかもしれないね。正直なところ、人生に役立つ有益な情報とか、そういったものはあまり、ない。
 それでも幾許かの時を預けてくれる誰かのために、わたしのことを簡単に示しておこうと思う。

2.

 ここに『ある』といえるのは、ちょっとした読み物と、まあ日々の隙間にふらりと訪れる『わたし』くらいのものだ。日常のすべてをつまびらかにするものでもなければ、非日常のすべてにタグ付けするものでもない。そう気のままに、そうと望んだときに徐に編まれてゆくspace――そんなところ、かな。

3.

 さて大仰な表題をつけてみたが、別にわたしの過去の記録を列挙しようというのでない。もうずいぶん前、SNSの黎明期を経てきた方は『足あと帳』や、それに類するものの存在を覚えていないだろうか。おおむね、閲覧ついでにコメントを残してもらうための専用の記事、といったものだ。行き交う旅人の良識と思慮分別を信じて、ここも、要はそういったものの一形態として置いておきたい。何か残したい言葉があれば残してもらえれば嬉しく思う。
 そのままであれば、ただ通り過ぎていくだけの個と個――しかしながら、綴られた言葉を切っ掛けに道程が交差する瞬間もあるのではないか。そこに至るまでには、少し、あるいは長大な時間が必要かもしれないが。
 

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