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「よォし、今回のテストも学年一位だ」 中学二年の少年・淳は、今日も青春を謳歌していた。 とはいえ彼の学生生活は最初から順風だったわけではない。すべてはつい先日、些細な事故で頭を打ってからのことだ。 痛みが引いてからすぐ、成績も、運動能力までもが飛躍的に上昇し、そのお陰で性格まで明るくなった。彼の日常は、文字通りひっくり返った。 「おめでとう、淳」 「ああ、ありがとう」 淳の隣には満面の笑みで彼を祝福する女生徒がひとり。彼女いない歴の自己記録をひたすら更新し続けていた淳