伏線の妙「トッケビ」

★★★★★★★(星7つ)
ネタバレあり

最高。

伏線の妙です。素晴らしい。
何度もストーリー展開の見事さに鳥肌が立ちました。
ファンタジー要素が多いので、そこが好きならどんぴしゃ行けると思います。

「コーヒープリンス1号店」きっかけで韓国ドラマに足を突っ込みました。
コン・ユとユン・ウネちゃんとの相性も抜群で、とても素敵な俳優さんだと思いました。
一回だけ韓国旅行した時も、撮影に使われたカフェを見に行きました。
でも、店員役の「キム・ジェウク」がかっこよすぎて、コン・ユ派にはならず。

久しぶりに見たトッケビのコン・ユは年齢を重ねた渋さも加わり、ハイブランドを着こなす姿、まぁ~素敵。

初めて、主人公の二人が出会うシーン。
雨の中、コン・ユ演じるキム・シンと女子高生チ・ウンタクがすれ違う時の目の表情が大人の男の切なさを感じさせました。

コン・ユってかっこいいんだ、と思った瞬間です。

もちろん、前からかっこよかったのですが、顔は置いといて、トータルでかっこいいタイプと思っていました(ほんとに失礼)

前置きが長くなった。

1. あらすじ

戦国時代、武臣キム・シンは不敗を誇る、部下の人望も厚い武将だった。
しかし、その人徳ゆえに若き王と彼を操る神官に疎まれ、王の妻になっていた実の妹と一緒に命を奪われる。
その後、彼を慕う家来とその孫の願い故か神の意思で、命を吹き返す。
ただ、生前に彼が戦で殺めた人間たちへの罪の深さのために、トッケビとなり永遠に生きる(死ねない)という宿命を負う。

そして、彼を宿命から解き放てるたった一人の女性(トッケビの花嫁)を生涯探している。

余談ですが、音声を聞いていると「トッケビ新婦(シンブ)」と聞こえる。字幕は「花嫁」ですが、聞こえる通り「新婦」でいいのに、と思うド素人です。

2. キム・シン役 コン・ユ

大人の魅力、男の色気。

チ・ウンタクと出会った時は、援助交際にしか見えなくて、困りました。
でも、徐々に、二人の交流を見るうちに見慣れました。

初めてコーヒープリンスを見て以来、コン・ユがこんなに渋く素敵な俳優さんになっていて、うれしかったです。

現代で生きるキム・シンが、日記や文章を筆でしたためるのですが、見事な文字です。
私も書道を習っていますが、書き方を見ていて、書は無駄に力を入れないで書くものなんだ、と学びました(遅いけど)

3. チ・ウンタク役 キム・ゴウン

自分がドラマを見るかどうかの選択って、1話目で主役を気に入るかどうかなのですね。

ウンタクの子供時代の子役さんがとても目が大きくてかわいかったので、高校生になった彼女が出て来た時、「あ、ダメかも」と思いかけました。
でも、見ているうちに、ストーリーに引き込まれ、彼女の演技力、キュートさ、ナチュラルさもわかりました。

4. キム・シンと死神

この二人の絡みは最高。
韓国ではブロマンスと言うらしい。

ウンタクが最初に危機に陥った時、二人で助けに行くシーンがあるのですが、これは見る価値ありです。
暗い並木道、後ろから光が差す長身の二人のモデルウォークを見た時は鳥肌が立ちました。

出会いからずっと敵対する立場なのに、なぜか同居することになり、一緒に暮らすうちに友情まで芽生える、心温まる展開。

死神は無表情で、でも、だからこそ面白くて。
ウンタクを脅すクセに結局味方です。

5. 死神とサニー社長

キム・シンとチ・ウンタクの運命的な物語が主軸ですが、死神とサニー社長の物語も重要です。

二人の、神に仕組まれた出会いと、その後の展開はコミカルからシリアスへ。
二人の想い合う気持ちとは裏腹に運命に翻弄されます。

でも、サニー社長はどんな時も自分で人生を切り開きます。

その大きな理由の一つはサニー社長の前世から続く、男前な決断にあると思います。
いつでも、自分の想いより、相手を想いどうすべきかに重きを置く。
昔も今も。
そして、今世、ずっとウンタクを温かく見守り、助け、去っていく。

かっこいいのです。

6. カナダ(ケベック)

キム・シンとチ・ウンタクが出会って間もなく、キム・シンが瞬間的に別の場所に移動する能力を使って移動するつもりが、想定外にチ・ウンタクもカナダのケベックに移動します。
まるで、どこでもドア。

紅葉のケベック、枯れ葉が舞う並木道、小高い丘から見下ろす港町、とても素敵です。

一度、行ってみたい。

ケベックは二人の何度かある人生の岐路の舞台になります。
まるで、『愛の不時着』のスイスのようです。

きっと、予算やスケジュールの関係上、撮影に何度も海外には行けないだろうから、チ・ウンタクの高校生から30歳まで様々なシーンを一気に撮影するんだろうな、と思うと、気持ちや世代を演じ分ける俳優さん、本当にすごいですね。

7. 感想

ファンタジー好きなら、絶対見て良かった、と思える作品です。
私はファンタジー要素がある作品大好きですが、苦手な方もいらっしゃるようなので。

悪者も多少出て来ますが、登場人物は愛すべきキャラクターが多くて、誰にフォーカスすればいいか迷うくらいに、みんないい。

そして、最初にも触れましたが、伏線がすごい。

一つネタバレですが、チ・ウンタクが勉強のため図書館に通っていて、友達はいない、と言っていたのに、制服姿の女の子と仲良く話していました。
友達いるじゃない?と思っていたら・・・。
この伏線が回収された時、思わず鳥肌がたって「あぁ!!」と声出してました。
そうだったのか!と納得し感動の涙。

8. お気に入りのシーン

たくさんあり過ぎて、選択が難しい。

①    『モデルウォーク』
きっと見ればどのシーンかすぐにわかります。

何といっても、暗い並木道を、バックライトに照らされながら、長身の男二人が歩く姿。鳥肌です。

②    『雨』
キム・シンとチ・ウンタクの初めての出会い。

雨の中、傘のないチンタクはパーカーを目深にかぶり、前から歩いてくる傘を差した彼とすれ違います。

この時のキム・シンの心情は良くわかりませんが、ウンタクとすれ違う瞬間、視線を彼女に向けます。
その目の表情は何か感じるものがあるのか、窺うようなさみしそうな哀愁漂う視線に感じました。

③    『20歳』
チ・ウンタク20歳の焼酎始め。

韓国は元日を迎えると、誕生日がきていなくても20歳と認められるみたい。
大晦日の夜、12時の鐘がなったら「アジョシ!(おじさん)お酒を飲みに行こう」と誘い、屋台の焼酎で乾杯。

その後のポッポ(キス)展開がまた楽しい。

④    『韓国ドラマ』
キム・シンと甥っ子ユ・ドクファ(BTOBのユク・ソンジェ)がランチに行き、そこに死神が先に座っている。
ドクファに死神は見えていないが、三人同じテーブル。
店内のテレビでドラマが放送されていて、死神・甥っ子が見入る。

その時、ドラマ内で韓国ドラマにありがちな予想外の展開。
二人+店内の客みんなで「まじで!」と叫ぶ。

大笑い。

⑤    『EXO』
ドクファのおじいさんがウンタクの大学入学の祝いを贈ろうと、秘書にリストを作ってもらい選ぶシーン。
秘書はいつも業務を完璧にこなし冷静です。
その秘書が候補の一つ、EXOのCDの説明をするため、突然振り付きでうた真似するのですが、うまいの。
ダンスが。
「うるろんうるろんうるろん♪」
このシーン大好き。

9. 終わりに

トッケビは、tvN(2006年開局の韓国のケーブルテレビ・CJグループ経営)で製作されていて、製作費が贅沢に使われているのが良くわかります。
ケベックの美しい映像や、キム・シンたちの住むゴージャスの家から衣装まで。
こだわりがあるからこそ、高級感のある素敵なドラマになっているんだと思います。

日本のドラマも大好きですが、韓国ドラマとの違いを考えると、スケール感が違う、のかな。
特にtvNの作品は映画のようですね。


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