【ちきゅうのがっこう2023前期8月】よりそい合う階段づくり
ちきゅうのがっこう2023前期!元気に開催中です。
5月からスタートした前期も4回目。いよいよ終盤戦です。
毎年、8月の夏休みシーズンは2泊3日のサマースクール!
長い時間を仲間と共にするため、みんなの関係性も深まり、どっぷりと自然とも仲良しになれる特別な時間です。
今年からはフィールドが、築450年の歴史ある古民家「紬」に!古民家の優しい空気に包まれながら、屋根のある場所でゆったりと知図を描いたり、話が出来る環境が整いました。
8月編2日目は、ジェネレーター 市川力さん・大地の再生 佐藤俊さんに加え、横須賀市にある博物館の学芸員さん2名(昆虫と植物)が来てくれた、スペシャルな一日に🎵
前期のテーマである「道づくり」にも、じっくりと取り組むことが出来ました。
親子で俊さんと共に頑張った「道作り」・・・優しい階段づくり・・・の様子をレポートします。
ちきゅうのがっこう参加者の森村ゆきちゃんもレポートしてくれています🎵
動画はこちら🎵
人が歩くと川が汚れる?
ちきゅうのがっこうの6月、7月編の他にも、さまざまなプログラムで、川の整備作業をしている私たち。多くの人が、川までの斜面を降りていました。
道なき道を人が歩くことで、土は踏み固められ、獣道が出来ていきます。その道は水が浸み込まず、草も生えない状態に!
しかも、雨が降るとぬかるんでズルズルと滑るし、雨水の道となり、雨水は表面の土を削り、泥水は川へと流れ、川は目詰まりを起こしていきます。
川の目詰まりを取るために作業している私たち自身が、川に泥を出して、目詰まりを起こしているなんて、元も子もない!早急に手立てする必要があります。
石はこびと木はこび
まずは材料集めから!
私たちが川整備で上げた(上げ過ぎた)手のひらサイズの石たちを、階段づくりのため集めて行きます。
みんなで一列になってバケツリレーで石を運ぶ人たち。
その頃、俊さんと男性陣は、子どもたちが作業に参加出来るよう、超特急で下準備!!
周辺から丸太を集め、チェーンソーで切ったら、斜面へ配置し、ツルハシで土を掘って丸太を半分埋めて行きます。
階段づくりのポイント
木の配置のポイントは、並行に置かない!ハの字と逆ハの字の繰り返しです。
こうすると、一つのステップに狭いところと広いところが生まれ、どんな歩幅の人でも快適に降りることが出来るし、真っ直ぐな普通の階段のように、みんなが同じ場所(真ん中)を歩かないので、痛みにくい階段になるそうです。
ハの字の繰り返し階段は、川へと真っ直ぐ降りるけれど、緩やかに蛇行していて、雨が降っても水の流れにブレーキをかけて、浸み込み易くなります。
すごい!これこそ自然にも人にも優しい階段だ。
山の中を歩いて、ちょうどいい丸太を見つけて運ぶを繰り返す!材料は外から持ち込まず、木や石、その場にあるものを工夫して使って行きます。
今回は、木杭のみホームセンターで購入。前日からお父さんたちが、真っ黒に焼いて準備をしてくれました。
丸太の土台が出来上がったら、丸太の周りや、ステップに石を詰めて行きます。さあ!子どもたちの出番です!
川から集めた石をテミに入れて、何度も往復してくれる子、もはやお馴染みの燻炭(くんたん)を楽しそうに撒いてくれる子、石をパズルみたいに並べてくれる子。大人と協力しながら、自分の役割を見つけて一斉に作業を進めていきます。
このスイッチが入った時って、まるでお祭りみたい!!
ワーワーガヤガヤ言いながら、わっしょいわっしょい作って行きます。
丸太が尽きてくると、俊さんは、その場にある大きな石を使って、石の階段を素早く作って行きます。
その手際の良さに、ほれぼれする大人たち・・・
川整備時の石の置き方、階段づくりの丸太の置き方、石の置き方、、ただの"置く"だけど、ただの"置く"じゃない!
"置く"は奥深いのだ。
難しいよね。難しいよね。武道みたいだよね。って、いつも頭をグルグルさせながら作業している大人たち。この難しさが、面白いんですよね!
これぞ道づくり道(みちづくりどう)!
考えては手先がもたついてしまう私たちに比べ、子どもたちは感性に任せて、パーっと軽やかに作業し、午後は、学芸員さんと虫や植物を探したり、知図づくりに没頭したり、階段づくりに残ったり、それぞれの時間を楽しみました。
想像を超える階段だ!
私「ぶっちゃけ・・・今回の階段づくりは3段くらいしか出来ないと思っていました。」
俊「はーーーっ?!じゃあ最初から言ってよ。そしたら3段しか作らなかったのに(怒)」
等高線に沿ってぐるっと道を作って、最後に階段を少しだけ作るのかな?と思っていた私は、川へ真っ直ぐ降りられる大きな階段が出来てビックリ仰天!!!
「子どもたちが、真っ直ぐ最短で川に降りたいっていう気持ちを押さえることは出来ないでしょう?」
と俊さん。確かに、ぐるっと回る道を作っても、子どもたちは、きっと道なき道を真っ直ぐ降りて行くと思います。
人の気持ちにも寄り添いながら、自然にも優しい階段を作れちゃうなんて、本当にスゴイです。ちきゅうのがっこうだ。
階段の段数をみんなで数えてみたら何と24段!想定より8倍の量の階段が出来ました。
最後は、なぜかマイクが登場して、市川力さんによる階段の開通式!
俊さん、私のほか、がんばったお母さんや子どもたちが、どんな作業をしたのか、みんなに発表して行きました。
よりそい合う階段
人にも自然にもよりそう私たちの階段は、定期的なメンテナンスが必要です。木が朽ちてないかな?とか、石が落ちそうじゃないかな?とか、いつでも様子を見てあげて、自分たちで手直ししてあげる。
誰かが作ったのではなく、自分たちで作ったモノだから、愛着が湧くし、メンテナンスすることも出来る!
まさか人生で階段を作ることがあるなんて思わなかったですよね?
知らず知らずのうちに「誰か任せ」になっていたことを、自身の元に取り戻していく。それが、ちきゅうのがっこうの「道づくり」なのかもしれません。
ちきゅうのがっこう2年目のメンバーは、みんなスゴイ!
たくさんのパワーを秘めていて、可能性がどんどん広がっています。
みなさま、お疲れ様でした🎵
ちきゅうのがっこう2023後期の申し込み受付も間近!
後期は、みんなでベンチづくりを探究します⚪︎
子どもたちオリジナルの本づくりにもチャレンジするかも??
絶賛!企み中!!!