スジナシシアター・私的プレビュートーク:効果音の席から

押しかけほぼレギュラーの「スジナシシアター」。
この2月は最終日の磯村勇人くんの回に参戦。

浅草公会堂は多分2回目。
うーーんと前にCKBの歌謡ショー的なステージを観に来たきりなので、ほぼ初めてな印象。
随分と大きな会場だなあーと、チケットに記載された1階の最後列に腰を沈める。
平日の少し早い夕方の時間のせいか、周囲はなんともいえない客層に見える。
いわゆる”若手俳優”だから、キラキラ若い女子が多いのかと思ったんだけど、意外と同年代風なご夫婦とかご婦人連れ2人組とかが目につく。なんか不思議。浅草だから?

慣れない会場のせいと、天気のせいと、いろいろで、着席してもなんだかふわふわした気持ちだった。
いつもなら、それなりに身だしなみも気にして参加するところ、とにかく寒くて雨も降っていて、かつ、出社⇒午後休での参戦でもあったからオシャレもしきれず、なんか中途半端な感じのままだった。
恒例のオープニングが始まってもなんか、ふわふわしていた。

でも目の前には、スジナシの世界がある。

いつものいろいろな段取りが進んでいき、効果音の担当を募る場面になる。
ふと、やってみようかなという思いがよぎる。
魔が差すって、こういう感じなんだろうな。今思えば。
今まで、自称タイトルメーカーとして、ある意味最後のいいとこどり・後だしじゃんけんみたいな感じだったけど、がっつり参加してしまったらどうなんだろう、とよぎってしまった、恐ろしい。
過去、効果音って本当に難しいよなー、よくも無邪気に立候補できるよなーって思っていたくせに。
魔が差した。

効果音の主張がまあまあ強くて、お芝居が音に引っ張られてしまった回があって、あの鶴瓶さんが別番組で愚痴を吐くほどだったことを知っていた。
そんなこんなを牽制するように師匠が
「ほな、”スジナシのことを分かっていて””効果音に自信がある”ってひと!」と客席に呼びかけた。
さすがに、ハードルがあがるよね。挙手の数は減る。
そんな中、まっすぐに私は手を挙げた。
「ホンマに大丈夫やな?」
自称おしかけほぼレギュラー。いろいろ見てきている。それなりには分かってるつもりだもん。
プレッシャーを軽く感じつつ、効果音の席に移動・スタンバイ。

着席すると、目につくところに「効果音は2~3回でお願いします」の大きな注意書きが。しかも、「2~3回」は赤字だったと思う。
うへー。よっぽどだったんだなー。すごい牽制だわ。
その圧を感じて、さらになんだか、ふわふわした感じになってしまった。

少し落ち着いてきたところで、気付く。
あれ?わたし1人?
今までのスジナシでは、効果音の担当の隣で中井美穂さんが本番を一緒に観て、即興劇終了の「OK です」を発声されるのだけど、なんなら師匠とゲストのお着替えタイムの間、隣合わせでお話ししたりとかだったのに、
あれ?わたし1人?
お着替えタイムの時、壇上の中井さんからスジナシの魅力について質問を受けて、超優等生な回答をする、というやりとりはしたけども、
おお、1人だった。
演劇の話とか、今までのスジナシのこととか、お話ししたかったなー。残念。

さてさて。
実はものすごく緊張した。
終始ふわふわした感じだったから、手や声が震える、という緊張とはまた違う別の感覚の緊張。
モニターが用意されているので、寄りのカメラ映像も見ることができる。
全体を見るにはやっぱり自分の目で見た方が安心で、でも、1階の最後列なので、雰囲気をつかむ程度。どっちを見るか忙しい。
師匠と磯村くんの世界を壊さないように、超集中。
ん?ちょっとブレイクが必要?と感じて強めに「ヨシ!」って思うか思わないかのタイミングでボタンを押す。
アレコレ考えすぎると、あっと言う間に2人の世界から置いてけぼりを食うので、2人の世界に寄り添いながら、でも、俯瞰で見ながら・・・が、ものすごく集中力を要する。

電話を鳴らしたとき「なんや、すぐに切れて。なんの電話だ?」に、師匠のイラっとを感じた。
うわー、ごめんなさい。2コールで終わっちゃうんだった!連打しなくちゃいけなかった!
でも咄嗟に、「いや、営業時間外の留守番電話に切り替えとか、磯村くんは部外者で絶対店の電話になんか出ないから、イケる!」と自分を立て直す(苦笑)
しかも、効果音を押すの2~3回まで、って制限あるじゃーんって、言い訳大魔王(苦笑)

今回用意されていた効果音は、ガラスの割れる音、パトカー、銃声、悲鳴?事件性の高い音が多かった。
わたしの小さな主張・こだわりは、
「事件性の高い音はゼッテー使わねー」。
せっかく2人が探りながらもコミュニケーションを紡いでいっているところを、簡単に単純に展開してしまうのがすごくイヤだったのだ。

「お前の仲間にやられる」「お前の仲間にやられた」「パトカーを呼んだから」こうして書きだしてみると、師匠は、パトカーや銃声や悲鳴とかを待っていたのかもしれないと思えてきた・・・ごめんなさい。
でも使ってしまったら、そこで急展開・・・殺しちゃうとか、逃げるとか、事件の終末のパターンが決まってしまう気がして、絶対にそれは避けよう、と思ったのだ。
既に宝石を泥棒していて(しかも実は人を殺していて)、店内の宝石を勝手にあげちゃってる時点で犯罪でしかないから、事件でしかないから、あえて違う音を使おう、と決めたのだった。
師匠が「夢をみているようだ」「神様、こんなことってある?」って何度かつぶやくのを利用して、かつ、雪も降ってきたのも利用して、ちょっとドラマチックになればと思って、鐘を鳴らしてみたのもその一環。
磯村くんが見事に「早く帰りなさいってことじゃないですか?」って答えてくれたのはドラマチックとは違ったけどなんか嬉しかった。
携帯電話の音を鳴らしたとき、わたしとしては磯村くんに出てほしかったのだけど、師匠が踊りながらお店のカウンターに寄っていったのは想定外で「あちゃー」っと思ってしまった。
固定電話じゃないのーーー。携帯電話だよーーーって(苦笑)
ま、このかみ合わなさもスジナシだからこそ、なんだけど。

プレビュートークで、磯村くんがとても緻密にいろいろ仕込んでいたことが明らかになった。
モニターカメラでも気づかなったじゃないか!と何度も膝を叩きそうになった。
頭がいい、頭の回転がすこぶる速い、そしてニュートラルなひとなんだなーとしみじみ感じた。
今までのスジナシで、若手イケメン俳優の回は概ね、師匠に丸投げ⇒師匠が一生懸命”処理”していく、のパターンが多い印象だった。
でも磯村くんは、いろんなパターンを想定していて、でも決して独りよがりにはならず、師匠といっしょに作り上げていく即興劇を演じた。
静岡県民として嬉しかったよ(笑)

マイクをコントロールできるのって強いよね(笑)
プレビュートークの初めの方で早速、電話の音について師匠からお叱りコメントがきた。
中井美穂さんがすかさず、「1回のボタンで2回しか鳴らないんですよね?」とフォローしてくださって、うわ!神♡と思い、激しく頭を上下に振った後、「でも」と切り返してしまった。
電話が切れちゃうのもアリだと思ったと言い切った、オレ。
「え?お店で働いてはるの?」
「え?演劇関係のひとなん?」
・・・ひえーーー、あぶないー!セーフ!!!。
しかもスゴイひと認定まで受けた(笑)

最後のタイトル付けの場面。
今回は効果音で参加できたから、十分かなーと思っていたのだけど、なかなかタイトルがしゃっきり決まらない様子からの、中井さんの「他に会場の中で・・・」の振りをすかさずキャッチした。
マイクをコントロールできるのって、恐ろしい・・・。
権力を持つ、ってこういう感じなのか、すら一瞬思ったもの(笑)
図々しく、サブタイトル提案までしてみた。
でも、ここまですると、やり切った感がすごい。オレの回!笑

緊張もしたけど、楽しかった。
一緒に作り上げて~、仕上げて~が、とても面白かった。
フォローのためについてくれていた音響担当の女のコが、「面白かったです!よかったです!」と最後に言ってくれた。
「難しいですよね!いやー、難しかったです!」と返すと彼女はリハで音を鳴らしたそうで、「やってみて、コレ(効果音)は、難しいよなーって思ってました笑」って。

貴重な経験ができ、本当に楽しかった。ありがとうございます♡

磯村くんの雄姿、是非ご覧ください。


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