![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/138148389/rectangle_large_type_2_28ba16949778c3a3f37bd4707aac68f9.jpg?width=1200)
ばす
バスは小さいころ、一番苦手な乗り物だった。
当時のわたしは、ふだん乗り物にのる習慣がない。あっても自転車かキックボードぐらい。
そういうわけかはわからないけれど、
わたしは乗り物酔いがひどいこどもだった。
車でもすぐに気分が悪くなってしまうけれど、
バスはもっとだ。
たぶん、あの公共の乗り物特有の灰色のにおいと、前がみえずひたすらに
ぐわんわぐわんと揺らされる感じ。
けれども、今となっては、バスはわたしにとって
わくわくする乗り物になった。
今でも電車に乗る習慣はないし、
どこにいくにも自転車を漕いでいるのだけれど。
バスに乗るときは、電車から乗り継いで、
山のほうにいくとき。
そういうバスはだいたいお客さんが少なくて、
わたしだけの貸切なんてこともよくある。
広々としたバスのなかで、
右側の2人席の一番前に座る。
お気に入りの音楽を聴きながら、
バスのほどよい揺れにみをまかせて、
本を読むのが
なんとも心地よい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?