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耳コピ術

私は国語教師であり、ライターでもあるのですが、実はバンドマンでもあります。

今日は耳コピの話。音楽やっていない人も、分離して抽出して検討するという作業が、意外と仕事での問題解決法にも通じるなあと感じているので、読んでみてくださいね。

耳コピとは、音楽を耳でコピーすること。昔は、カセットテープがのびるほど繰り返し聞いて、曲を譜面にしていましたが、今はテクノロジーのおかげで、サクサク。ほんと、いい時代!「昔はこうやって耳コピしていたんだぜ」と親世代の昔話は、作業のヒントが山盛りなので有難く拝聴し、テクノロジーは使い倒しましょう!

1 構成を知る

まずは、曲を聞いてざっくり構成をメモします。構成譜を書くときに使います。結構、このメモは見返します。

こんな感じでOK

2 構成譜を書く

次に、それぞれ何小節かをカウントして、五線譜に縦線を引いていきます。私はスネアの2回で1小節としています。
ロックだと、 ♪ドンタンドコタン♪ の「タン」がスネア音なので、これで1小節です(笑)
繰り返し記号等を知ってる人は、使った方が譜面の節約になります。が、分からない人も、自分だけが分かればいいので「Aメロに戻る」とか書き込んじゃっても大丈夫だと思います。

3 コードを取る

コードを耳で聞き取れる人と聞き取れない人がいるので、聞き取れない人はもう文明の力を活用しましょう!こちらのアプリがおすすめです。

YAMAHA Chord Tracker

iPhoneの人

androidの人

スマホにある曲をインストールすると、コードを聞き取ってくれる神アプリ。

下のアイコンを押すと、押さえ方も出てきます。ローコードなので弾き語りなら便利

※半音下げチューニングの曲は「再生設定」で半音上げればOK

4 ボーカルを分離する

次に、耳コピ用の音源の準備です。こちらも文明の力を使います。まずは、AIの力を使って、演奏とボーカルを分けます。ボーカル分離の作業では「ハヤえもん」というアプリを長らく使っていましたが、高度なAIが出現したので、最近はこちらを使っています。

ボーカルリムーバー

https://vocalremover.org/ja/

もちろんボーカルの人にも便利ですよ。ボーカルパートを抜いた音源を保存し、カラオケに使うのはもちろん、逆に、ボーカルだけ抽出した音源で、歌い方の研究もできます。私も初めてボーカルだけの音源を聞いた時には、心底驚きました。いわゆる「アカペラ」になるんですよ。好きなバンドのボーカルさんのアカペラ聞いてみて。すごいから。
自分のバンドのリハで録音した音も、ボーカルを抜くと、自分の欠点がよく見えて良いです(笑) ボーカルの人には、もっと貴重な反省音源になるかと。

ボーカルを0にするとカラオケ。音楽を0にするとアカペラ音源に
速度も分かります
保存もできます。あくまで自分用でね。

5 自分のパートをイコライザーで聞きやすくする

先ほどちょっと登場したアプリ「ハヤえもん」でイコライジングができます。キーボードやギターの場合は、中音域を上げれば聞き取りやすくなります。

カラオケ音源で中音域を強調すると、ギターやキーボードが聴き取りやすい

またベースの場合は、実は、1オクターブあげると断然聞き取りやすくなります。イコライザではなく「エフェクト」というところで、「ベースの耳コピ」を選択するとそういう設定になっています。

オクターブ上げると音が取りやすくなります(ギタリストだからかな)

6 速度を遅くする

こちらも同じアプリで、曲の速度を遅くすることができます。昔は、速度を遅くすると、ピッチ(音階)も下がるので、意味がありませんでしたが、同じピッチで速度だけ遅くすることができるので、本当に便利です。50%以下にすると、今度は逆に聞き取りにくくなるので、65%がぐらいがいいと思います。自分の聞き取りやすさで加減しましょう。
※このページでは、音も上げ下げできるので「原曲から半音下げで」なんて言われた時も便利です。

65%の場合

7 音を聞き取る

さ、やっと耳コピ開始です。私は絶対音感があるので、この時点で、耳だけで譜面を埋める作業ができるんですが、そうでない場合は、実際に楽器を持って、耳に聞こえる音と近い音を楽器で探すことになります。
その時、一番いい方法は、50%ぐらいの速度のメロディーをまずは口ずさんでみて、それが指板(鍵盤)だとどこになるのか、探す方法。これが便利です。

練習した時のメモは赤ペンで
時々タブ譜も登場します(笑)

8 目コピ

ベースの場合は、弦とフレットによってかなり音色が違うので、どこを弾いているかだいたい分かると思うんですが、ギターの場合は、同じ音色でも弦とフレットの組み合わせで、結構たくさんのパターンがあるので、YouTubeやでDVDで動画がある場合は、目コピします。ほんと、いい時代。昔なんて、コンサートで「そう弾いていたのか!」とかよくやってたもん(おばちゃんの遠い目)

表紙画像はAIに「AI listening the music with the guitar」と指示して、描いてもらいました。すご。

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