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覗いたから鶴だったの

文章力養成コーチの松嶋です。

『鶴の恩返し』ってお話があるよね。

罠にかかっていた鶴を助けた男。
その男の家に、ある夜女が訪ねてきて一緒に暮らすことに。
女は、機を織るのでそれを町で売ればよいと。
ただし、機を織っている間は決して部屋を覗かないでくださいと。
女の織った布は高値で売れて裕福に。
ある日男は約束を破り、機織りの最中に部屋を覗いてしまう。
そこには鶴の姿が。
そう、この女はあの時の鶴だった。
「覗かないでと言ったのに」鶴は空へと帰ってしまう。

私の講座の年長さんコースで、この『鶴の恩返し』を課題本にしているのね。
『つるにょうぼう』矢川 澄子 (著), 赤羽 末吉 (イラスト)
赤羽さんのイラストがとても素敵なんです。

で、この本を見るたびに思うのが

覗いたから鶴だったの

ってこと。

科学的につじつまが合わないのは百も承知。
いや、そもそも鶴が機織りとかあり得ないけど(笑)
で、そういうところはあり得るとして、
私は、

覗いたから鶴だったの

だと思う。

以前こんなことをnoteに書いた。

子どもがリビングでダラダラとテレビを見ている。 「いつまで見てるの?」と聞くと「8時まで」と答える。 8時になって子どもをチェックすると、やはりまだテレビを見ている。 「8時になったらテレビを止めると言ったよね?」と注意する。 子どもは不機嫌になり「分かったよ。うるさいなあ、もう」と言いながら部屋に戻る。
実はこれ、お母さんのシナリオ通りのことが起きているだけなんです。このお母さんは、8時になったら、子どもがぴたりとテレビを見るのをやめて、子ども部屋に行って勉強するというシーンは予想していません。 ほら!やっぱり私の言った通りでしょう? 8時になってもテレビは見続けてるのはずなのよ!ということが現実に起こっているだけです。
こんな話をすると、スピリチュアルなことのように思いますが、実はそうでもなくて、結局、この母親は、子どもを信用していないんですね。それが子どもにちゃんと伝わるので、子どもも、その期待にちゃんと答える(つまり約束を破る)という図式なのです。

『人は自分の想像した通りに行動する』より

そう。覗いたから鶴だったの

約束を破るってことは、信用をなくすこと。信用をなくしてもいい、覗きたい!って思っちゃったってこと。そちらを選んだってこと。

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