5 あいさつができるようにしておく
人間は社会的な生き物なので「あいさつ」はとても重要です。いつも笑顔であいさつをする人は、ほぼ、誰からも好かれていますし、あいさつなしで急に本題に入るような人は、少し驚かれますよね。この「あいさつ」もDNAに組み込まれているものではないので、誰かが教える必要があります。子どもは親の背中を見て育ちますので、一番良いのは親がお手本になるようなあいさつをすることです。何の損もありません。今日から始めましょう。あいさつが気持ちの良いものだという体験をたくさん積みましょう。
どーもー。ゆか先生です。
インターネットで文章を指導しています。
7回シリーズで、Kindle出版した著書『ほんとうのにゅうがくじゅんび』のダイジェスト版をお届けしています。小学校の入学準備にドリル等を買うより前に、保護者の方に是非知っていてほしい話をピックアップしてお届けします。今日は第5章「あいさつができるようにしておく」です。
あいさつをできるようにしておいた方がいいというのは、社会的に基本行動であるからです。人間は社会的な動物です。社会なくして人間らしい生活はできないのです。社会で生きていく、そのためにもあいさつは重要です。
どんなにやんちゃでもあいさつができる子は社会で生きていける
私の知り合いのお子さんで、結構やんちゃな子がいたんですが、その子、結構はちゃめちゃなのに、あいさつはちゃんとできたんですよ。コンビニの前で見かけても、「〇〇(息子の名前)の母ちゃん、こんにちはーっす!」と元気に声をかけてくる。最近見ていないけど元気かしら。そんな心配もしてしまうほど感じがいいんです。「危なっかしいけど、あんなふうにあいさつができる子は、きっと周りからも助けられて、何とか生きていけるだろう」と思うわけです。
また、同じマンションでエレベータに乗り合わせた時、必ず笑顔で「おはようございます」「こんにちは」とあいさつをするお嬢さんがいます。いつもすがすがしい笑顔です。笑顔付きだと、もうなんか、それだけで気分が良くなります。そのようなあいさつをされて、機嫌が悪くなる人間なんていないと思います。息子にも「あんな感じの人と結婚したら、毎日それだけで幸せだろうね」と話していました(笑)
自分の子どもがあいさつをしなくても放っておく、そういう親はあまりいないと思います。どちらかと言うと「うちの子、あいさつできないんです」「声が小さいんです」「私が言わないとしないんです」という悩みを多く耳にします。特に私は教師なので、必ず耳にするのが「ほら、先生にごあいさつは?」です(笑)
「あいさつは?」ではできるようにならない
私から見ると、まるで犬に「お手は?」というようなイメージです。他にも、子どもに「あいさつは?」「ありがとうは?」「お返事は?」というお母さんがいますが、あれ、なんでしょう? ずいぶん昔からキメ台詞のようになっていますよね(笑) 犬の「お手」さえ、訓練が必要ですし、何よりちゃんとできた時の報酬があります。人間だって同じだと思うんですよ。
「こんにちは」という言葉が話せるようになることと、「こんにちは」と人に言えるようになることの間には、大きな壁がありますから、すごくエネルギーがいるんですね。なのでトレーニング的なことが必要になります。読書のところにも、人間のDNAには読書習慣が刻まれていないとお話しましたが、あいさつも同じです。誰かが教える、あるいはお手本が必要なのです。
私はドイツに住んだことがあります。ドイツ語で「こんにちは」は「グーテンターク」というのだということは当然知っていましたが、知っているということと、実際にその言葉を使ってドイツ人に話しかけるのとでは、全然違いました。めちゃくちゃエネルギーが要ります。私の場合は、半年ほど要しました。その後に会話が続いても、続ける自信がなかったからです。子どもも同じような気持ちだと思います。たいていの場合、あいさつはあいさつだけでは終わりません。そもそもその後、コミュニケーションを始めるために挨拶をするようなものです。そのあと「あら、あいさつできてえらかったわね。何年生なの?」とか「どこの小学校なの?」とか「今日はどこへ出かけるの?」などと絶対に聞かれますよね。それが怖いというパターンも多いということを覚えておいてください。
なかなかあいさつができなくて……と悩んでいるお母さん、同じ状況で同じことが言える自信がありますか? 次に続く会話が怖くて、私が「グーテンターク」と言えるようになるまでに半年かかったように、お子さんもそれくらい、いえ、それ以上の時間がかかるのです。じっくりゆっくり見守りましょう。
どんな習慣も「きっかけ」と「しくみ」と「報酬」から
どんな習慣も、きっかけとしくみと報酬があると、整います。まず、あいさつをすると、良いことがあるという報酬が必要です。あ、何もあいさつができたらお菓子をあげるとか、そんなことではありませんよ。挨拶は、相手がニコッとすることが報酬なのです。親がくれる報酬のために、あいさつをするなんて、変ですからね。とは言っても、まだまだママが一番な年ごろ。ママに「ちゃんとできたね」と肯定してもらうほど嬉しいことがないというのも事実です。よく育児書などで「あいさつができたら褒めましょう」とか「ぎゅーっとハグしましょう」とか「やったね!という合図を送りましょう」という言葉を見かけます。でも、あまり長く、それを続けるのは少し危険です。そこに長く集中にしてしまうと、そのルーチンでしかあいさつができなくなります。
今、あいさつをするタイミングなのか不安になる。
↓
親の顔を見る。
↓
あいさつをした方がいいという見えない光線を感じる。
↓
だからあいさつをする。
↓
良くできたねと親に褒められる。
この循環です。本来、あいさつをするタイミングなのかどうかは、親の背中を見て学ぶものだし、「良くできた」と褒めることよりも、「その後の会話がうまく行ったよね」とか、「あいさつをされると相手の人も嬉しいよね、なぜなら自分もそう感じるもんね。」という気付きを促すなら大丈夫だと思います。そのためには、あいさつができるかどうかと、子どもを見張るような態度はやめて「一緒にあいさつをしようか?」とするのも良いと思います。
いかがだったでしょうか。この章では「あいさつができるようにしておく」について語りました。第5章、あと3つ項目がありますが、ここから先は有料記事。次の3つの内容です。
「あいさつのハードルを上げない」
「一番身近なお手本は親のあいさつ」
「あいさつは習慣なので、身に付くまで待つ」
上記と同じようにダイジェスト版です。全文をしっかり読みたい人は、是非、本を読んでくださいね。この章を含め、全7章あります。
取り上げたkindle本はこちら
私の小学生コースでは、実は年長さんから教えています。オンライン保護者会もあります。どんなことをしているか、覗いてみてくださいね。
ではでは!
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