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映画『愛がなんだ』 鑑賞メモ

映画館に行くとき、わたしはトラベラーズノートを持って行ってメモを取るのですが、『愛がなんだ』があまりにも良すぎて、メモを書き起こしたので、ここに残しておきます。
映画の時系列に沿って進んでいくので完全ネタバレです。それから、後から開示された情報は付け足していないので、鑑賞後の感想のまとめとはまた異なります。あくまで「観ながら書き記したメモ」です。

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ぐちゃぐちゃの煮込みうどんをいじくりまわして口に入れないまもちゃんの嫌そうな顔 もうこの時点で既に面倒くさくなってんだろうな
山田さんは金麦500ミリなのに中原君が買ってきたのはヱビスなんだな
焼き鳥屋 戎(えびす)だ!※行きたい
まもちゃんの語る夢は無責任だ まもちゃん自身が山田さんに無責任なように
自分で決断しない、決して決定的な言葉は使わない、だって山田さんが全部汲んでくれるから、勝手に汲んで勝手にやっただけって山田さんのせいに出来るから まもちゃんが罪なのはそれが無意識だってこと
自由のない檻の中の象を見ながら自由を語る残酷さ
檻の中の象は山田さんで まもちゃんは気まぐれにエサをあげる あげないときもある でも山田さんは檻から出られない
幸せを語りながらクライミングで上には絶対登れない山田さん。転落。その後の暗示。楽々てっぺんまで上がれるようこちゃん。ようこちゃんの言うことはいつも正論。
仕事を辞めた日、「愛の光公園」に。
愛も光もないように見える人たちばかり。いつもここで一人でお弁当を食べていた山田さんの孤独は、まもちゃんによって埋められてるような気がしてる、きっと。でもそれは、「気がしてる」だけ。
山田さんはきっと愛とか好きとかと、自己満足を混同している。まもちゃんを守ることが、好きでいることが、自分のためだってわかってない。
金麦はまもちゃんの趣味なんだ 山田さんはまもちゃんになりたいから…
山田さんのは親切じゃなくて押し付けなんだよね
ああ違う、もうこの時点で食い違ってる 山田さんはそれに気づいてる
でも気づかなかったことにしたい、そうじゃないと自分が保てないから 男のために仕事を辞めた自分を保てないから
飼育員のいない檻の中の象 山田さんはまだ檻の中 エサは無い
机の上の、擦ってもこすっても消えない醤油のシミ もうどうやっても戻らないようこちゃん家の過去の暗示
餃子はたぶん 中原君の包み込む愛
俺じゃなくたっていい、中原君
私じゃなくちゃ絶対ダメ、山田さん
「幸せになりたいっすね」
「そうっすね」
たぶん二人の思う幸せの形は、同じように見えて、真逆のベクトルを向いてる
見下してるからそゆことできる 見下されればされるほど 相手の方が上な気がして「関係性が固定される」これ、ようこちゃんが最初にいってたね
銭湯の掃除という仕事 山田さんはこれまでを掃除(清算)する気が無意識にある?
まもちゃんはスミレさんのためには尽くすんだ 山田さんのためには1ミリも動きたくないのに
だってもう見る目が違うんだもん まもちゃんのスミレさんを見る目が
山田さん会社員からバイト?になった割に結構いい家住み続けてんな
積み上がったカップラーメンとレンチンご飯 山田さんは自分のために何かすることで自分を埋めるってことが出来ない人なんだ
煮詰まった関係が嫌なスミレさん 煮詰まりたい山田さん スミレさんとなら煮詰まりたいまもちゃん 好きってそういうこと?
好きだから、に理由なんてないんだよな
スミレさんはまもちゃんを見下していて まもちゃんは山田さんを見下している
別荘 スミレさんを追いかける無邪気で嬉しそうなまもちゃん 半笑いの山田さん 断れなかった中原くん
中原っちと楽しく話すスミレさんを見るまもちゃんは スミレさんを目で追うまもちゃんを見る山田さんと一緒だ
スミレさんの言うことがそのまま自分が山田さんにしてきたことでまずい顔になるまもちゃん
「本気で好きだから逆に言えない」スミレさんにね。。
お互いが良ければそれでいい
「いろいろ気を遣ってやってくれるんだけど、結局は自分系」山田さんのことじゃん
ラーメン またビールがヱビスだ
「ようこさんのこと好きでいてごめんなさいって」
お互いが良ければそれでいい→自分はいいと思ってるけどようこさんはいいのかなって…
これは山田さんにはない発想だよな
受け入れ続けることで相手がダメになる?
愛がなんだ!タイトル回収
「俺じゃなくてもいい」が崩壊した中原君は身を引く たぶんきっと、手に入りそうにないからってだけじゃない
「幸せになりたいっすね」吐き捨てたツバ
中原くんはようこさんに幸せになって欲しいんだ
「中原君ようこちゃんのこと好きだったんだよ!」
「で?」
「こんなの優しくないよ!」
好きになってくれた相手には優しくしなきゃいけない、それはまもちゃんを好きな自分が、こんなに好きなんだから尽くしてるんだから報われるべき優しくされるべきっていうそういうとこからきてる
中原君への自己投影 ようこちゃんはよく分かってる
強くてお金持ってて正論が言えるようこちゃんだって寂しくなる時はあるし 人は人に対してそれぞれ見え方が違うだけ ようこちゃんと中原君との関係は「固定されていた」から 中原君には見えなかった
人間うまくできてんのよ…公園での会話を思い出す こうやって世界が回ってる でも山田さんには理解できない 理解すること自体を拒んでいる
「それが世界の全てみたいに」
山田さんの世界はまもちゃんが全て
やっと断れるようになった(?)山田さん
毎日掃除、掃除、掃除の繰り返しだから、だんだん漂白されていく山田さんの気持ち(?)
まもちゃんのつくるうどんは 山田さんのと違って澄んでて綺麗で整っている
味噌煮込みうどん 具合が悪くなる 山田さんはそこまで考えが及ばない、だって山田さんがまもちゃんの為にしてることは山田さん自身の為にしてることだから
「俺が悪い、」そう言えば全部許されると思ってんのか、思ってんだろうな
「俺マジでスミレさんのこと好きなんだよね」リフレイン 中原君の台詞とおんなじだね
「山田さんの気持ちとか考えたことなくて」!こんなに長い間ずっと1ミリも考えてなかったんだ、そうだよな、だからあんなひどいことできる 今やっと考えたから家まで来れて、あのうどんが作れたんだ
山田さんみたいな人がいるとわかんなくなっちゃう そう、受け入れてくれる臣下がいるとどこまでも残酷な王様になってしまうから
山田さんが注いできたお茶の量が違う 気持ちの差、山田さんのお茶の方が少ない(ように装っている?)
「なんか安心した」
お箸から溢れる人参 (あーこれダメなやつだ)
「よかった!山田さんが俺を好きじゃなくて」
「そうだよ、もっと建設的に…だからもう会わないとか言わずにさ」山田さんまだまもちゃんのこと捨てられないんだ まもちゃんを捨てるって言うのは自分を捨てるって言うのとおんなじだから!
中原青『一瞬の夢』あの日々は一瞬の夢にすぎない ようこさんは俺を好きにならないし 俺ももう自分を犠牲にする気は無い
そこまでしてまもちゃんにくっついてたいの?
好き?なにそれ
恋でもなく愛でもない そんなことはとっくにどうでもよくなってる
「どうしてだろう?私は未だに “田中守ではない”」
もう山田さんの中ではもはやまもちゃんになることが自分の穴を埋めることになってしまった そこにはもうまもちゃんの気持ちとか好きとか愛とか関係ないんだ どこまでも自己満足の方法で、でもその「満足」が出来ないんだ
象は今日も檻の中で生きる
清掃員は辞めた 飼育員になった山田さんは檻の中にとどまりながら自分(飼育員=まもちゃんになったつもりの私)で自分(そのままの私)にエサを与えることにした
“田中守になりたい”と願いながら…

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