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コノハナサクヤ(連続note小説)

毎年、初夢でふしぎなメッセージを受けとる主人公、恋野 音(こいのおと)。始まりは「みなもとのよりとも けがわ」という夢岸に見た文字。謎を解き明かす為に神社巡りを開始。色んな試練を乗り越えながら歴史を辿る。 夢、現実、想像、思考、小説、Twitter、sns、自然、災害、空、家系、歴史…テクノロジーを媒介に過去と未来と今を行き来するアドベンチャー小説です。よろしくおねがい申し上げます。

コノハナサクヤ 十五

また夢を見ました。 夢の中で寝ていて意識はあるのに身体が動かない夢。 ふだんそういう夢をよく見るのですが 起きたくて目を意識のなかで開こうとしたり、呼吸を大きくしようとしたり。 一〇代のときもよくあって、見たいテレビがやっていて始まってる音は入ってくるのに身体が動かない。 たぶん体験されてる方多いと思います。 心体的な夢ならばまだ説明も尽きますが 二十五、六才の時、朝の夢岸に生き霊が足元にいたのを見たことがあります。 顔をはっきりと確認ができて そのときのお

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コノハナサクヤ 十四

前回のおはなし。妹弟の魂のルーツ。 今日はあの方。未だに見つけられていない人物の一人、王翦さんのおはなしになります。 この真実をいちばん信じられないのは正直、わたし自身です。いや、未だに仮説といたしましょう。 国を勝たせてくれた張本人で 老後は田舎で野菜を作っていたとか。 代々国に仕えていた名家。 裏を返せば 間違い無く戦犯対象者。 建前では国の王などと幾ら言えども 現場で血を浴び人を動かし実行した者の ほんとうの意味での罪と 国の王の罪は いったいど

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コノハナサクヤ 十三

「わたし、知ってます、聞いたことあるんです。運命と宿命。運命は変えられるけど宿命は変わらない。だから、貴方と私が生身の姿で出会っても何度も同じことを繰り返す。きっと何千年と繰り返して、それが宿命だそうです。 でも、いいじゃないですか。もう、これが最後なら、ただ信じてるひとが居たっていいじゃないですか。」 「いいんですよ。貴方は居ない存在の方なのですから。全て独り言です。」 ーはじまりのりゅう。 途中から描けなくなった。 このこたえを百まで長引かせなくてはと でも

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コノハナサクヤ 十二

ご近所の町中華を巡る。 「この辺りは意外と多いんだよね〜」 都内の様な人の群れもなく道の一本一本が広くて長い。お空が広い。 地元のひとは「何もないよ。」というけれど、お空と海があれば十分。ぜんぜん飽きない。どんどん好きになるばかり。 買い出しの帰り道。夕方の十七時すぎ。今日の目標地は半には店仕舞いらしくあきらめる。 どうしよう。お家でごはん作ろうかな。 来た道を戻る。 十七時半。来々軒前。十七時四十五分から。 最近は暗くなるのも早く、同時に一気に肌寒くなる。昼

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