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「TBSドラマ×米津玄師」の相乗効果について考えてみた

米津玄師なんて、興味がなかった。


読み方もわかりにくくて「玄米」に見えるし
流行りもんの歌手だし、そのうち消えるだろうなんて思っていた。

ビジュアルも前髪が長すぎて目が見えないし
顔がイケメンなのかどうかさえ判別がつかない。


昭和生まれのアラフィフおばさんが
米津玄師を見て最初に思うことは

「とりあえず前髪切れ」

である。

夢ならばどれほど良かったでしょう


大ヒットした「Lemon」の歌くらいはさすがに知っていたが
キャッチーなサビは耳に残っていたものの、
「何がそんなにいいの?」って感じだった。
 

けれど、
たまたまTBSドラマの有料サイト「パラビ」で観た
「アンナチュラル」というドラマの挿入歌だったことを知って、
米津玄師の印象が変わった。

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「アンナチュラル」については、TBSのオフィシャルサイトから引用させていただく。​

主人公・ミコトの職業は、死因究明のスペシャリストである解剖医。
彼女が許せないことは、「不自然な死(アンナチュラル・デス)」を放置すること。不自然な死の裏側には、必ず突き止めるべき真実がある。偽装殺人・医療ミス・未知の症例…。しかし日本においては、不自然死のほとんどは解剖されることなく荼毘に付されている。その現実に、彼女は個性豊かなメンバーと共に立ち向かうことになる。

このドラマは、新設された「不自然死究明研究所(UDIラボ)」で働く人々の人間ドラマを中心に描きながら、毎回さまざまな「死」を扱いながらも、スピード感と爽快感を持って、「死」の裏側にある謎や事件を明るくスリリングに解明していく、一話完結型の法医学ミステリーである。
全体のテーマは、「死と向き合うことによって、現実の世界を変えていく」。
「死因」を見つけることによって、今を生きる人々の命を救ったり、社会制度を変えることで未来の危機を回避し、少しでもより良い世界に変えていけたら…。

彼らは一見、特殊な世界に身をおく人々だが、普通の人と変わらない日常を持っている。恋に悩み、家族関係に苦しみ、合コンにも行けば、おいしい食事も食べる。時にケンカをし、友情を育む。感情を抑えて仕事をしようと思いながらも、遺族に共鳴し涙してしまうこともある…。そんな天才でも変人でもない、普通の人々である彼らの姿を丁寧に描いていく。

この作品は、パラビで一気見したのだが、ドラマの完成度がものすごく高く、「逃げるは恥だが役に立つ」「重版出来!」の野木亜紀子の脚本、そして窪田正孝、市川実日子、井浦新、松重豊など主役を支えるキャストの演技が素晴らしく、観る回ごとに余韻が残る作品だ。

そして、この作品を観るまで、「アンナチュラル」の主題歌が米津玄師の「Lemon」だなんて知らなかった。


「Lemon」の歌を単体で聞いたときは、何が良いのかさっぱり分からなかったのだが、このドラマの重要なシーンに重なって入る「Lemon」のイントロが、とんでもなくこのドラマを盛り上げるのだ。

「夢ならばどれほど良かったでしょう・・・」

という出だしの歌詞が、ドラマの内容にピッタリはまっていて

本当に「夢ならばどれほど良かったでしょう」
と視聴者が思う、一番切ないタイミングでイントロが入ってくる。

おかげでこの「アンナチュラル」というドラマは3回一気見し、
毎回号泣した。泣くと疲れるので、後にいろいろ控えているときには見られないようなドラマになってしまった。

もしこの主題歌がなければ、このドラマがここまで際立つことはなかったのかもしれない、と思うほど、ドラマの内容をこの歌が補完している。だからこそ染み入るのだ。

エンディングのイントロは「感電」

その次にも刑事もののドラマ「MIU404」の挿入歌として、米津玄師の「感電」という曲が主題歌になった。これはこれでまた最高にドラマとマッチしていた。

このドラマも「アンナチュラル」の脚本家と同じく野木亜紀子の作品なのだが、オンエア時にはビジュアルのインパクトがいまいちで、観ていなかった。

だが「アンナチュラル」があまりにも面白かったので、こちらもパラビで一気見した。

刑事もので、綾野剛と星野源のバディもの。
軽快なテンポで作っているが、毎回余韻が残るエンディングはさすが「アンナチュラル」の制作陣。

そしてお約束の、ちょうどいいタイミングで
米津玄師の「感電」のイントロが入る。

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アラフィフの涙を引きずり出す「リコカツ」主題歌「Pale Blue」


さらに今クールのドラマ「リコカツ」では、米津玄師の「Pale Blue」が主題歌だが、今までと違い、離婚をテーマにしているものの、ラブコメだ。

北川景子の可愛さと、瑛太のコメディっぽさがほほえましく、現代を表すような熟年離婚や現代ならではの問題が絡み合ってはいるものの、基本路線はハートウォーミング路線。

北川景子と永山瑛太というスター俳優のラブストーリーだし、もうスレスレにスレてしまったアラフィフのおばちゃんは、さすがにこんなベタなラブストーリーでは泣かないだろうとタカをくくって観た。

予想を裏切り、また米津玄師にやられた。


きっと、もともとはここまで涙ぐむようなドラマではないと思うが、米津玄師の歌声と、北川景子の表情が掛け合わされると、なんだかとんでもなく素敵なものを見せられた気分になり、そのシーンが脳裏に焼き付いてしまうから不思議だ。


毎回、盛り上がるラストシーンで、北川景子のハッとした表情とともに
「ずっと・・・ずっと・・・恋をして・・・いた」と、米津玄師の「Pale blue」が流れる。

この北川景子の可愛すぎる表情と、米津玄師の「ずっと・・・」のタイミングが絶妙すぎて、つかみはオーライな状態になってしまい、思わずうるっと涙してしまうのだ。

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最初に書いた通り、米津玄師に一ミリも興味がなかった私も、
おかげですっかり脳内が米津ヘビロテ状態である。

ドラマを格上げする魔術師、米津玄師

きっと米津玄師という人は、ドラマに魔法の粉をかけられる魔術師なのだと思う。

この3作品、どれも作品としてもとても完成度が高いとは思うが、もし全然違うエンディング曲だったら、ここまで感動が強かっただろうか?と考えると、かなりインパクトが変わってくるなと思う。

ドラマの主題歌なので、おそらく作品に合わせたアテガキで歌詞も書かれていると思うが、ドラマの中では表現しきれなかった「行間」みたいなものを歌詞で補完しているのがさらにすごいなと思う。

もしかして演技なんてしたことがないわたしが、何か役を演じて、最後に米津玄師のキャッチーなエンディング曲が流れたら、わたしの演技でも泣かせられるんじゃないかとか、そこまで思ってしまうくらいのインパクトなのだ。(そんなことはないと思うが)


ということで、

「ドラマの主題歌のラストをかっさらう人」
として、まったく間接的にわたしの脳をジャックした米津玄師。

今後も注目である。

今日もお読みいただきありがとうございました!



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