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社会にどう認識してほしいかというゴールの旗を立てて広報

書きたいnoteが溜まりすぎたので、いい加減お尻ぺんぺんして書きます♪

テーマは「広報の始め方」の雑感です!4月ですし、新入社員の配属、異動で広報を始める方にお役に立てたらなって思います。
また仕事で経営陣の方や、出資先伸ばしたい投資家の方、新人広報の方からのご相談で一番多いものですので、その方にも。

・広報PRの基本的な考え方
・何をすれば良いか
・何から始めれば良いか


相談を受ける上記について私が普段考えていることを、「広報の考え方」としてストックしている資料を一部使って書きたいと思います。
*個人的見解です

■実務をしているとごちゃつく「広告」と「広報PR」

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本題に入る前の前提です。広報をしている方なら誰でも一度は経験したことのある、他部門からの誤った認識の質問がここです!

「この記事内容、この表現変えるようにメディアに話してください」
「この他者の記事(タイアップ記事)のような取材取ってきてください」
「このメディアの営業の方知ってるんですけど、メディアリストに入れるなら連絡先伝えて良いか聞いておきましょうか」

みたいな会話で、ノンペイドパブとタイアップ出稿、メディアの編集部と広告部門の混在です。
図で見ると、自社がクライアントとしてお金を払い出稿する「広告」と、時流に合わせて自社のニュースを提供し取材していただくであったり、世の中に応援団・ファンを作っていくような活動の「広報」が違うのは分かるものの、実務をしていると混乱される方が少なくありません。
故に上記のような質問が来るのですが、広報が管轄する取材記事は修正の要望は基本的に出せませんし、営業部門を紹介いただくのはマーケの方ですね。オウンドやリリースは別でもちろん加筆修正可能です。

ザクっと「広告」と「広報」の違いに触れましたが、広報はそもそも何かについてです!

■「広報」は良い経営環境を構築すること

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広報の定義は色々ありますが、個人的にフィット感が強いのが、この「良い経営環境を構築すること」です。
広報戦略は、経営戦略や事業戦略、マーケティング戦略と紐づいてないと意味がありません。

特にSNSやブログなどの影響もあり、世の中の情報量は10年で530倍ほど増えたと言われています。
そうした中で、企業が自分達で情報統制できていた時代よりも、ちょっとした発言で炎上し株価が暴落、売れていたものが売れない、売れなかったものが売れるといった現象が起きています。

そうした言葉を扱う部門の情報感度も強く求められるのが広報部門です。
嘘もつきませんし、誇張もしません。ただ、知る人ぞ知るモノ・コトを世に出し、知っていただきたい陰の企業努力やサービス商品へのこだわりなどを表に出すことでファンを増やす、事業をしやすい環境を整える
各ステークホルダーからの誤解があれば払拭する説明をする。営業やアライアンス部門が営業活動をしやすいようにコミュニケーションコストを下げにいく、そうした活動だと思っています。

戦後日本に入ってきたPublic Relationsという言葉。日本では略語「PR」がプロモーションのように扱われ、PRと広報と広告がごちゃつき、結果ひとり広報の方が壁にぶち当たることになりますが、本来的には中国語の「公共関係」というあらゆるステークホルダーと良い関係を構築することこそ、本来の意味に近い広報なんだそうです。
前置き長くなりましたが本題はここですね!

■もし1本1,000円のニンジンを広報してと言われたら何をするか

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結論から先に書いてしまうと、私なら何の要素が追加されると世の中がWOWと反応してくださり、興味を持っていただけるかを先に考えます。
その上で、そのWOWを作りに行く企画を立てて実行し実績を作りにいきます。
もちろん、既に存在していて埃をかぶっている「隠れネタ」をピカピカに磨き上げて、世に出すこともします。それが枯渇しかけたり、錆び付いてきたら新たなモノを作りに行きます。

■こんな要素があったらどうだろうか

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■その実績を作るには何をすれば良いか

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難しいでしょうか?
私が好きな心理学だったかな?の6原則があるので補足します。

ロバート・B・チャルディーニ(1984年)説得力の6原則というものです。
・希少性(Scarcity)
・権威(Authority)
・社会的証明(Social proof)
・返報性(Reciprocation)
・コミットメントと一貫性(Commitment and Consistency)
・好意(Liking)


かれこれ15年前の話ですが、私大学の時にミスになったんです。その前の日の私と、次の日の私は何も変わっていないのに、合コンに誘われる回数が増えたんです。そして出だしから目線が違っているのに気づいて、「なんなんだ!」と思ったら、世の中その人とかモノの本質を即座に見抜くことはほぼ不可能で、結局は社会的証明などがあると見え方が変わるってことなんだと。
自慢っぽくなり恐縮ですが15年前の期限切れなのでご容赦を!
この考え方は広報に使えるなと思います。

社内のネタを発掘したり、実績を作るときは特に下記の3つの視点を考えていただくとアイディアが降りてきやすいです。

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話を一番手前戻します。一番最初広報活動を開始する際に重要な事を書き忘れました。この設定無くして走ると少し後でしんどくなります。
・広報の現状の課題と目標・ゴールの設定
・1年後にどのような企業・サービス・商品に見られたいか(大事!)
・誰に対してかターゲット設定
・広報注力テーマの決定

の順に一度整理を進めるのですが、ここで大体の企業さんが仰るのは「1年後に見られたい絵姿と言いましても、難しいですね。まずは世の中に知られたいです」だったりします。

でも「清楚系女優」を心の中では目指しているはずなのに、手当たり次第メディア露出していった結果「お笑い系アイドル」として認知度が上がったなんて悲しいですよね。

モデルの梨花さんがまさにそうでしたね!テレビ朝日系「ロンドンハーツ」などバラエティー番組で豪快なキャラでしたが「脱バラエティ」で路線変更しています。これも最初にイメージを決定して進んでいけば、途中でこの経験をしなくて済んでいたかと。企業の広報戦略も近しいものがあると思っています。

こうして整理をして、フリーの私の場合顧客経営陣と現状打ち出せるネタを探るため会話していると、

ー「うちはそんなに発信できるようなネタはないんですよ、残念ながら」

とおっしゃっていたのが、いつの間にか

ー「こんな情報も出せたのですね!うちにはこんなにネタがあったのですね!今まで出してこなかった事を悔やみます」

とおっしゃっていただけるので、広報PR脳の開発だと感じますし、私もとても嬉しくなります♪

■話は戻り、ネタの開発

私は以前、Made in Japanでその後ミラノやNYで下着としては異例のショーを行うことになるメンズアンダーウェアTOOTのPRをしていました。
代表が東大法学部卒、マッキンゼー、いくつかの経営企画を経てTOOTを事業承継しており、おしゃべりが上手&メディア露出の抵抗感もないので、色々な企画を試しました。そして毎月テレビにも出て、雑誌新聞にも取り上げていただきそこで「広報、楽し〜!ヒャホイ」となったことで、1本1,000円人参の発想に行きつきました。

▼TOOTについてはこちら

その後、BtoBベンチャー企業でも、絵映えしないことで露出獲得したり、SNSでの口コミファン作りの難しさは経験するも、基本的な考え方は同じで「どうしたらファンが増えるか・ターゲットに刺さり、広まるか」→「そのためには何を企画し何の実績を広報として作りにいけば良いか」「他部門にどんな実績を作ってもらえたら、認知を形成できるか」という逆算思考で動いている部分はB2BでもB2Cでも通じていると思っています。

ニンジンの例でいけば
・1,000円で販売するにつながる生産者の想いやこだわりをコンテンツ化
・味にうるさいだろうプロに評価してもらう方法を考え実行
・味覚が強い子供でも食べれるだろうレシピを作る
・著名人への贈呈などで口コミ形成
などなど、アイディア次第でできることがたくさんあります。
この仕掛けは地味で地道なものが多く、実行してみて思う結果が出なければお蔵入りしますし、結果は出たけどうまいファン作りの流れが生み出せなかったり、本来はニュースになるはずだが世の中の情勢でお蔵入りすることもあります。私もコロナの緊急事態宣言で焦らされて焦らされて3日。放送のお蔵入りを経験しました。TV局の方も申し訳なさそうで「ニコニコ大丈夫です」と返答するも、それまでの収録調整や社内の期待などを思い返し夜枕を涙で濡らしました(少し大袈裟)
そのようなことは日常茶飯事であることは確かです。

でも広報誰もが経験することで、苦い経験は次の企画や後輩のマネジメントやフォローに必ず生きてきますので、めげずに頑張りましょうね。

そのようなときは広報コミュニティで助け合いましょう。広報職は大手企業でも数十人、多くは数名、1名であることも多いので、1,000名規模の広報コミュニティもいくつか立ち上がっています。このようなところで壁打ちや相談もできますよ!

【コミュニティ例】

▼広報Funho

他にも、BtoB/IT広報勉強会、広報寺子屋というFacebookグループなどもありますので検索してみてくださいね。
見つからなければFacebook/TwitterでDMでもいただけたら招待できるかと思います!

メディアアプローチをするならこの記事もどうぞ!

それでは、Enjoy your KOHO life!

image:by hoshino_design

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