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なぜメディア評価にパブリシティスコアを入れると良いのか


広報活動の中でも、ノンペイドパブリシティの取材獲得を強化されている企業も多いと思います。その露出成果を件数で計測すると、自身でモヤモヤしたり、経営陣や上司と話が噛み合わなくなることが多々ありました。
主体的に狙いに行き、数ヶ月かけて切り口を考えて企画提案し、漸く露出に繋がったWBSの10分間の特集1件と、インバウンドで入ってきたメディア掲載1件が同じ「1件」で括られるといった感じで…。

元々法人営業をしていた私は、数字を追いかけるのが好きで、数字で達成するのが快感!という気質ですが、広報の目標指標・KPIについては定量で綺麗に測りきれないものが多数存在していますね。
目標の立て方、設計は前職も前々職もよく悩み、チューニングを繰り返しました。



パブリシティスコアの話の前に、広報全体のKPI設計については、PRanalyzerを提供するBilcom社が提供しているこのBilcom社公開 「経営に貢献できる広報、できない広報の違い – 事業への貢献を可視化する効果測定とレポーティング手法」が非常に分かりやすく普段から活用させていただいております。
(ちなみにKPIセミナーやB2B広報向けセミナーなどを随時開催されています)

参照元:bilcom社公開 「経営に貢献できる広報、できない広報の違い – 事業への貢献を可視化する効果測定とレポーティング手法

KPI設計は今回の本題ではないのでこの辺にしておきます。そのKPI指標(ひとり広報の場合、集計に時間をかけすぎてプロアクティブな発信活動の時間を奪わないように2〜3個に絞っていました)の中で、私が気に入っている「パブリシティスコア」という本題について記載したいと思います。

パブリシティスコアとは

パブリシティスコアとは、ノンペイドパブリシティのメディア露出を、記事ボリュームや論調などの独自の項目を用いて効果測定・評価するスコアリング手法であり指標です。

■どのような企業に適しているか
下記のような悩みがある経営や広報の方におすすめの考え方だと考えています。

営業で行けば、受注金額1,000万円と、受注金額5万円とが受注数で同じ1件となる感覚に近しい。
  • メディア露出数だけの目標設定や達成率に違和感を感じている

  • 会社にとってポジティブではない記事が掲載されても掲載数カウントされることに不満がある

  • 主体的に企画提案して獲得した露出掲載と、インバウンドの露出掲載が同じ1件になることに違和感がある

  • 自ら企画し記者発表会などを実施し、会社の求める本質的な露出掲載が5件取れたのに、翌月のとあるプレスリリースの問合せによる露出数が10件となり、自助努力の反比例が気持ち悪い

  • 露出件数は一定以上担保できてきたが、その量より質にシフトしていきたい

  • [広報目線] 会社として、4マスにフォーカスしてほしいとお達しがあり、懇意の中堅メディアを蔑ろにされてしまう

  • [経営目線] 広報が取材獲得に燃えているのは分かるが、獲得するメディアの方向性が違うと感じている

パブリシティスコアの設計方法

企業の経営戦略や事業計画に即した下記のような項目で、自社に合うものを軸として選択し、点数のルールを決めて、集計ロジックを決める。

【パブリシティスコア項目例】

  • ターゲットメディア

  • 論調

  • 記事内容・構成

  • 記事ボリューム

  • 主体性

  • 記事の質

上記以外にも、数値の誤りがないかの「ディファレンス」、自社の立ち位置を検討する「ポジション」、狙っているキーワードが入っているかの「メッセージ」などを入れる場合もあるようです。ただ、私は5「記事内容・構成」に内包するものと考えて入れませんでした。
広報チームが拡大するまでは、計測でアップアップにならないように、上記から「ターゲットメディア」「論調」「記事内容・構成」の3つを選択して0〜3点/0〜3点/-1〜1点 の 合計-1〜7点にしていました。

ちなみに、目標評価指標は「定量:定性を50%:50%」とし、その中の定量指標に【A】 主体的取材獲得数、【B】総リーチ数、【C】パブリシティスコアを設定した時が、最も自助努力の成果と評価のバランスがよく、また急な他部門のサポートや社内広報や採用広報、MVVの策定などにリソースを割いた時の努力が無駄にならずに快適だと感じました。
逆に、プレスリリース数や掲載数などだけを設定したときにはもやもやが強く残りました(もちろん、プレスリリースの発信もまだ慣れていないといった若手広報さんを採用した場合など、アクション数を見ていった方がスムーズな場合もあるので、一概にダメとは言い切れませんが)

また、B2B2C企業などは顕著ですが、上期に設計したロジックが下期に変わるということも全然あり得ます。事業としてC向け注力からB向け注力に変われば、ターゲットメディアのスコアリングも変化します。B2B2Cに限らず、B 2Cであっても、顧客獲得に力を入れており、カスタマー優先にしていたところから、事業の大幅拡大を狙った投資家へのコミュニケーションが重視されれば、自ずと設計項目が変わってきますね。

というわけで、メディア露出に力を入れている企業広報さんで、露出件数の目標設定や評価に疑問を感じている、あるいは、掲載について量から質にシフトしたいなど、計測方法を考えている方の何かお役に立てていたら幸いです!

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