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南西イギリスの旅~YuccaとEllieの大冒険~#2バイブリーを尋ねて三千里

南西イギリスの旅、2日目の記録です。睡眠時間4時間の朝、アクセス難関のコッツウォルズ観光へと繰り出します。”完璧な計画”を持ってスタートさせた私たちにどのような冒険が待っていたでしょうか?

まず始めに、朝時点での私たちが自信を持っていた"完璧な計画"をお見せしましょう。

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とにかく詰まりに詰まったスケジュールであったことをお判りいただけるかと思います。^^☆彡


前回の記事にも書いた通り、コッツウォルズは小さな村が散在した地域の総称で、それぞれの村の間は車で移動するのが一番。そうでなければ限られた本数で動いているバスを使う必要があります。電車が通っていればどれだけ楽なことか…。週末のため運休バスもある中でしたが、私たちはこの、「一つでも間違えたらドカン」な計画に従って突き進む決心をしていたのです。

張り切って宿を出発した私たちでしたが、実は最初の最初に乗るバスがどこから発車するのかすらわかっていませんでした(笑)なので、さまようことを見据えた上で、発車時刻の30分前には市街地に着くように計算して出たのです。しかし現実はそう甘くありませんでした…(今となっては「そりゃそうだ」の一言に尽きるのですが)。チェルトナムはコッツウォルズとの間を結ぶバスの発着点であり、コッツウォルズだけでなく近郊の諸地域とつながるバスも沢山動いています。そのため市街地には混乱不可避な数のバス停がありました。

結果から言いますと、市街地を案の上30分丸々さまよった挙句、最初に乗るはずだった重要なバスを逃しました。私たちが「きっとここだろう…!」と目星をつけていたバス停は、そもそもお目当てのバスと全く違う運営会社のバスが停まるところだったよう。近郊の地域を回るバスというよりも、ロンドンやそれ以上遠く離れた都市との間を結ぶバスが停まっているようでした。「これは絶対に違うぞ」と気づいた私たちは、そこでバスを動かしていたおじさんに声をかけ、どうやら目指すべきバス停は2本程向こう側の通りにあるということを理解しました。(思った以上に近くだったので余計ガッカリ)

そちらの通りに出ると、確かに市民バスと言える大きさのバスが沢山通っていました。そしてその長い大通りに、等間隔で並べられたバス停がずらり。次に私たちがやらねばならなかったのは、バス停を端から端まで尋ね歩いてそれぞれの行き先とコースを確認すること。2人で手分けをして隈なく確認しましたが、結局「これだ!!」という感動の叫びがあがることはありませんでした。時間はただ過ぎゆくばかり、、さすがにヘトヘトの蚊のようになった私たちは元の計画をようやく見直すことに。

「もうさ…ハア、一番近いし、ハア、バイブリーだけ行く…??」

バイブリーというのは、英国の有名なデザイナー、ウィリアム・モリスが「イングランドで最も美しい村」と賞賛したことで有名な村です。写真で見た景色はまさに私たちの抱いていたコッツウォルズ像そのものだったので、「ここだけは外せない」スポットだったのです。そんなわけで、3つの主要な村を周る計画を1つの村に絞ることに。

最初のバスに乗るまでの過程を説明するだけでこんなに文字数を使ってしまいましたね。結局また近くに停まっていた市民バスの運転手さんに行き方を尋ね、バイブリー方面に向かうバスに乗ることができました。バスに乗って一息つき、前日の夜にセインズブリ―ズ(地元スーパー)でゲットしたワッフルを2個ずつ摂取。コーヒーが欲しくなる甘さでしたが、その時の私たちには水が一番の水分源でした。(あたりまえ体操)

そのバスに乗れればオッケーではなく、その先で2回バスを乗り換えないとバイブリーにはたどり着けませんでした。1回目の乗り換え場所では次のバスまでの待ち時間が40分程あったので、冷え切った体を温めるべくコーヒーを探し求めました。近くにはたった1つだけカフェがあり、ひとまずそこで暖をとることに。そこで飲んだカフェモカ、最高でした。

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その後無事にバスを乗り換え、ついにバイブリーに到着!!!おなかの底から「ホーーーーーーーー!」という感嘆・安堵の声が出ました。バイブリーで最初にみた光景がこちら。

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はちみつ色の石で造られた素敵なお家がずらり。まるでドラゴンクエストの世界に入り込んだかのような景色が広がっていました。辺りはしーんとしていて、耳を澄ますと可愛らしい鳥の声。看板も何も立っていないところで降ろされましたが、一応そこがバイブリーのバス停ということになっているそうで。

バス停から歩を進めるごとに、心がじんわりと癒されていく。平和という言葉がぴったりすぎる村でした。「マインドフルネス」という言葉も同時に浮かんできます。歩く場所一つ一つで立ち止まって耳を澄ますと、鳥の声や木々のざわめきに川のせせらぎの音…自然が生み出す美しい音楽が聴こえてきました。終始、何かに優しく包みこまれているような感覚がありました。

バイブリーでまず有名なのは、伝統家屋がならぶアーリントン・ロウ。

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そして白鳥がトレードマークのスワン・ホテル。高級ホテルなので学生にはハードルが高いですが、いつか生涯の伴侶と老後一緒に来たいなあ、なんて考えてしまいました♡(老後にというのがポイントーどうでもよろしい。)

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バイブリーは1時間半もあれば十分に観光ができるほど小さな村なのですが、私たちはたっぷり4時間ほど滞在しました。なぜなら、この1日をバイブリーに懸けていましたから!(笑)という訳で、アーリントン・ロウからスワンホテル、その間に広がる小さなトレッキングコースを計3周くらいしました。それでも名残惜しさが残るほど、ずっと居たい場所でした。(夜は真っ暗で危ないかもしれませんが!)

私たちは寄りませんでしたが、見どころの一つとしてマスの養殖施設(トラウトファーム)も人気があるようです。マス料理はバイブリーの名物なのだそう。

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しばらく村を散歩するとお昼の時間もとっくに過ぎており、どこかカフェに入ろうということになりました。Google Mapで”cafe”と検索すると、近くに2,3軒あることがわかりました。私たちが入ったのは、"The Twig"という小さなカフェ。

本当にこじんまりとした店内でしたが、手作りと見えるカウンターにはイート・イン用の席が4つありました。ケーキなどフードのラインナップはとても充実しており、何にしようか迷いました。私はカフェラテにレモンケーキを注文、Ellieさんも確かカフェラテと、キャロットケーキを注文!コーヒーは自家焙煎で丁寧に淹れてくれているようでした。「バイブリーに来れてほんとに良かった、これで大満足だよねー」なんて話しながらゆっくりティータイム。個人的にバイブリーは、思い描いていたコッツウォルズ像そのままの村だったので、本当にここに来れただけでも十分に目的が達成できたように思います。

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さて、ここでそのまま「満足だー」といってカフェを出ず大正解でした。私のお腹はまだ空いていたのです。コーヒーとケーキを注文したとき、会計カウンターに”チーズ・トリュフサンド £5”と書かれた小さな札が立っているのが目に入りました。「確かに今日、朝起きてから一度もタンパク質摂ってないよなあ。しょっぱいものも食べたいけど、まずはコーヒーにあうケーキを食べよう」と思ってその時はやめたのですが、甘いものを食べた後はしょっぱいものが欲しくなるのが常。しかもトリュフなんて、滅多に口にはいたしません。2人で分ければ1人あたり300円、ぜひ食べてみようではないかということでお店を出る前にテイクアウトしました。

帰りのバスの時間が近づいていたので、バス停の前にあったベンチに座ってホットサンドを食べることにしました。このホットサンド、この旅のハイライトにも入る程の美味しさ…!トリュフとチーズって、罪すぎる最高の組み合わせですね。このときに食べたホットサンドによって、私たちはホットサンド(正確にはToasty)という言葉に対する感度が各段に上がりました。バイブリーの素敵な景色を見ながら食べるというのも特別でした✨

ベンチのすぐ隣には赤いテレフォンボックスが建っていました。バスが来るまでは撮影会。Ellieさんに撮ってもらったお気に入りの写真がこちらです。

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大大大満足の気分で帰りのバスに乗車し、バイブリーに別れを告げた私たち。時刻は14時半ごろだったかと思います。

この後、バスの乗り換え地点であるサイレンセスターという街も1時間ほど観光しました。大聖堂が目玉のスポットだったようですが、商店街があったのでお買い物をメインに楽しみました。かつて羊毛産業が盛んだったのでしょうか、こんな像もあって癒されました。

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サイレンセスターで最も記憶に残っているのは、バスの発車時間10分前になってトイレのドアと格闘したことです。公衆トイレを見つけたのですが有料で、コインを入れないとドアが開かないようになっており…。しかもそのトイレ、かなり古いようでコインの入れ口がオンボロだったのです。なかなかコインを飲み込んでくれず、5枚のコインを入れ切るまでに時間がかかりました。プロペラ級で用を済ませ、大急ぎでバスに向かって何とか間に合いました。確かあのとき、10ペンス硬貨を1枚Ellieさんに借りたなあ―ありがとうEllieさん!

そんなこんなで、夕方6時ごろ無事にチェルトナムに帰って来ることができました。市民バスの複雑なシステムにさんざん振り回されましたが、そんな中でも知らない地をバスを乗り継いで冒険し無事に帰ってこれたのは本当に奇跡だったなと今も思います。なぜか旅に対する自信もこの日、獲得しました(笑)

失敗した朝のことも、日が暮れれば「ラッキーだった」という認識に変わっていました。あの時最初のバスを逃していてよかった、もし万が一乗れていたとしても絶対に後でもつれが生じて無事に帰ってくることはなかったであろう……そんな会話を寝るまでに3回くらいしました(笑)

バス停から宿へ向かう途中、近くのスーパーに寄って夕飯を買いました。宿にキッチンが付いているので簡単な調理ができ、そのお陰でご飯代はかなり節約できました。この日はお湯で3分ゆでるだけのパスタと野菜、ヨーグルトかなんかを買っていきました。大冒険をした1日でしたが、夜には映画観賞会をする約束もしていたので、まだワクワクの気分。

夕飯の写真はこちら!

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映画はジブリの名作「コクリコ坂から」を、EllieさんのNetflixで鑑賞させて頂きました。イギリスで、しかも旅先でがっつり日本のアニメ(笑)見終わった後には、登場人物の誰が(恋愛的に)良い?という話が盛り上がりました。私は王道の風間さん、Ellieさんはヒロインのパパをチョイス。以下省略します。

またもや朝のハプニングから始まった2日目でしたが、これまた幸福感溢れる最高の1日になりました。この日は夜もぐっすり☆彡

翌日はウェールズの首都、カーディフ観光です。霧がすごくてそれはまた面白い一日になりました。続きもお楽しみに♪

長い旅行記を読んでくださりありがとうございました!


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