常盤木サッカー部の強さを【卒業生ゆかサル】が分析してみた①〜「命をかけろ」という顧問の言葉〜
これ、私にしか記事にできなくね?!と言う好奇心だけでパソコンを開いてます。
どーも、ゆかサルこと吉野有香です。
私の母校、常盤木学園高等学校、ご存知でしょうか?
私は2010年卒です。10年前。笑
女子サッカーの名門校で、全国大会常連、さらに連覇&連覇のすごい高校です。
女子サッカー好きなら誰もが知っている名前だと思います。
もはや「常盤木サッカー部」はもはやブランドだと思います。常盤木ブランド。
「常盤木出身」といえば、上手いやつしかいない・・・。
(あ、私を例外に。)
私が在籍していた頃は、1つ上になでしこジャパンキャプテン、熊谷紗希がおります。この人は一言で言うと優しさの塊ですね。笑
成績は毎年のように、夏の選手権、冬のユースも優勝でした。
在学中の全国優勝は4度、2位は1度、3位も1度。笑
私の下の学年は、確かベレーザに勝ってます。
今考えると、私すごいなwwwと思ってしまいます。こんな時代もありました。
(あ、私はほぼほぼベンチorベンチ外ですよ♡)
まぁ私がすごいと言うか、仲間がすごかった。そして顧問がすごかった。
「何がすごいの?」
実際に、優勝しまくり真っ只中にいた、選手目線で、ご説明します。
「命をかけろ」という顧問の言葉
顧問・阿部由晴先生。
現役の頃は、好きだけど、怖い。尊敬してるけど、たまに理不尽。笑
そしてたまに、愛する親友の優しい優しいお父ちゃん。
私からすると、とても不思議でいつも何考えてるかわかんないような、どこか掴めない先生でした。
(お前なんかに掴まれてたまるかよ!って言われそうw)
そんな先生につけられたあだ名が「チャラゆか」笑
当時からチャラチャラしてたそうです。
先生は、生徒をよく見ている。本当に。学校でも、部活中も、寮でも。
だから、見張られてた感覚があって怖かったのかもな。笑
現在はどうなのか知らないけど、私たちは常に先生と行動をともにしていました。
その時は何も思わなかったけど、、、
顧問が生徒と生活するって、どんだけサッカー部に人生捧げてんの?って今になって思うわけですよ。
さらに先生の奥様がご飯を作ってくれてるんですよ。ありがたい。
先生のご家族は、何よりもサッカー部中心の生活をしてくださっていました。
今思うとありがたすぎてビビっています。
先生がどれだけ「常盤木学園サッカー部」に人生を捧げていたのか。。
常盤木は基本寮生活で、実家に帰ることは年に1度だけ。
夏休み、夏の選手権が終わった後、1週間だけ実家に帰れます。
あとは実家に帰るなんて選択肢はありませんでしたね。練習、練習の日々です。
てことはですよ?
先生もそうなんです。
しかも常盤木って、移動のバスは阿部先生が運転してくださるんですよ。
今思うと「え、いつ休んでるの?」って思う。笑
当時、私たちは運転なんてしたことないので、長距離運転の大変さなんて1mmもわかんないわけですよね。しかもバス!
試合終わって、バスに乗り込んだ瞬間、爆睡、なんてこともみんなよくあって、そりゃ負けた試合の後なんかは、先生もイラつくわな〜笑。と今なら納得できる。
高校生というのは知らないことばかり、わからないことばかりだと、今になって感じますね。先生ごめんね。
本当に阿部先生の人生は「常盤木サッカー部」なんですよ。
多分起きてる時間はずっとサッカー部のことを考えていたんだと思います。(てかそうじゃないとこの功績は無理。笑)
でも今、私も好きな仕事を始めてその感覚がすごくわかるんだよね。
先生がよく「サッカーのことを四六時中考えろ!」みたいなことを言っていたので、「ああ、先生こういうことを言ってたのか」とわかります。
当時の私は、サッカーも大好きでしたが、ここに遊びに行きたい、次のオフはあれを食べよう、あれを買いに行こうなど、他のこともたくさん考えていた記憶があります。
そりゃ中途半端な選手になるやろな〜て感じです。難しいね。
卒業から10年経っての理解です。笑
先生はよく「命をかけろ」と言っていたのを鮮明に覚えています。
当時の私にはどういうことか具体的にはわからなかったので「死ぬほど頑張れ〜」くらいにしか捉えていなかったのですが。
先生をもっと客観的に見ることができたら、感じ取れていたかも知れません。命をかけるの意味合いを。
ここで言う「命をかける」は生死の問題ではなく、そのくらい情熱を注げ、命を削って考えろ!と言うことではないでしょうか。
先生が正解を持っているので、私の解釈ですが。
人生の全てを捧げている先生。
人生の一部と捉えていた私。
そりゃ私は使ってもらえないわ。となりました。てへ
一方で、起用されてた選手を見てます。
まず、熊谷紗希選手。私はさき、さきちんと呼んでます。
さきちんは、まさにサッカーを生活の中心と捉え、上手に学校生活も楽しんでいたなという印象です。
さきちんは勉強もトップクラスです。人として素晴らしい人です。本当に。
さきは周りがよく見えて、自分の役割もよく理解していたんだろうな、と今思い返すと感じます。
それがそのままプレーに出ている感じ。
日本女子サッカー界の未来を背負う「熊谷紗希」としての責任感や覚悟が、高校の頃から前面に出ていた印象です。(今思い返すと)
本当にこれこそ「命をかける」「人生を捧げる」感じじゃないでしょうか。
高校の頃からA代表に入っていたので、私には見ることができない景色もたくさん見てきただろうし、使命感もあり、それをプラスの力に変えていたのかも。
そんなすごい人なのに、仲間に対し、誰に対しても分け隔てなく察してくれる。
そしてサッカーも勉強も全てのことに全力で取り組む姿勢を見せてくれます。
これがさきちんがみんなから慕われる理由だと思います。
さらに、後藤三知選手も1つ上の学年で、私は、みち、みっちゃんと呼んでいます。
みっちゃんは、私が出会ってきたサッカー選手の中でも最もストイックな選手だと認識しています。
高校の頃は特にそうだったと思います。
だからみっちゃんに対して私は、仲間意識、というよりも、リスペクトが強かったと感じます。
仲間なんていうのが、おこがましいとさえ思ってしまうほどです。
みちに比べたら、私の努力なんて米粒みたいなもんでしょう。
そのくらいみちは人生の1分1秒をサッカーに捧げていた、そんな印象を持っています。
そして、さらにみちの素敵なところは、毎日黙々と自分の中にいる敵と戦っていたところ。
昨日の自分よりも1mmでも成長すること。推測ですがそんな毎日を送っていたのではないかと思います。
みちの過ごした常盤木の3年間は、私の3年間よりも何100倍も濃いものだろうな、と勝手に想像してしまいます。
私にはできなかったから。
・・・わ〜、どうしよう!
心が暗くなってきた。笑
自分が何もできなかったこと、自分の無能さが、文章を書くにつれて少し浮き彫りになりすぎてしまったよ。笑
やはり、上に行く人、何かを成し遂げる人は、それなりのことをしていて、毎日意味をもって、人生を歩んでいる。
私はとても素晴らしい高校に行けて、素晴らしい仲間に恵まれていたのにもかかわらず、現実から逃げ、その時にやってみたいことを、ただ選んできただけだな〜と、客観視。
後悔はしてないけど、もし先生の「命をかけろ」の意味を深く理解できていたら・・・と思うと、、、ん〜。
もう少し、サッカー選手として活躍できたんじゃないかと思ったりした。
まぁ、活躍していたら、今はないけどな!
最後に先生の「命をかけろ」よりも衝撃で印象的な言葉をご紹介して終わる。
「北朝鮮と戦ってると思え」
これこそ「命をかけろ」を最もよく表した言葉ではないでしょうか。
ワールドカップやアジアカップで代表が北朝鮮と戦うたびに、先生は私たちに言いました。
「北朝鮮は、自分たちが負けたら、自分や、自分の家族がどうなるかわからないような、ギリギリの精神状態で戦ってるんだぞ。お前らも常に、それに恥じない戦い方をしろよ!!」
実際に北朝鮮のサッカー界がどのようなものかはわかりませんが、
先生は強く私たちに訴えかけてくださったことを、よく覚えています。
こんな私でも、そう初めて言われた時はハッとしましたね。
(実行に移せたかは別ですが。)
サッカーに対する覚悟というか、責任というか。
ただ楽しい、好きではなく、戦うことは、恐怖と隣り合わせだということ。
「命をかける」「人生をかける」その本質が詰まった言葉だと思いました。
だからずっと心に残っている。
「本気」を図る時に、私の心から出てくる言葉です。
日本という恵まれた国に生まれた私たちには、到底考えもつかないこと。
だけどもしかしたら、世界のどこかではあり得ること。
そんな選手たちと戦っていること。戦うかもしれないこと。
そのくらい、本気かどうか。
先生の解釈はわからないけど、私はこう感じ取ってる。
そんな先生の覚悟があるから常盤木は強くなったんだと思う。
先生の覚悟なしに、ここまでの功績はあり得ない。絶対。
私たちの人生まで背負っている、先生。
たくさん優勝する前、ずっと先生は2位で「シルバーコレクター」と呼ばれていたそう。
悔しかったんだろうな。って思う。
でも、そこで諦めずにやる続けた結果が、今ある、日本女子サッカー界への貢献だと思う。
でも、知ってる?
常盤木学園サッカー部のスタートって、5〜6人の同好会からなんだよ。
そこから「俺は全国優勝させる!」と言っていたそう。
たくさん笑われて、馬鹿にされたって。
でも、有言実行で成し遂げた。
私はこのエピソードが大好き。
続きはまた。♥
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ゆか
♡
吉野有香 Yoshino Yuka
元なでしこリーガー、サッカー指導者、メンタルコーチ
ただのサッカー大好き人間です。
女子サッカーを盛り上げて、いつか女子サッカークラブのオーナーになることと、女子サッカー応援番組を持つのが夢です。本気です。
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