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ジョージアで、国民的画家ピロスマニの「おじさん」に魅了される

ジョージア滞在中、軽い気持ちで見に行った画家の絵にハマりました。特にハマったのがタイトル通り「おじさん」の絵。気がついたらオシャレなグッズを買い込んでいました…。私はたまに美術館に行く程度でさほど知識がなく、詳しくは語れませんが魅力を伝えたいのです。

このおじさんが、私の心から離れません。

帰国から1ヶ月以上経った今でも「日本で展覧会を開いていただけないか…」と、ときどき考えています。

最初はスルーしていたのに。あとからジワジワくる謎の力


ジョージア滞在前、ガイドブックに気になるページがありました。4ページにわたって掲載されている「国民的画家 ニコ・ピロスマニ」。全く知らない名前ですがジョージアを代表する画家とのこと。最初は「暗い絵だなあ」と流していたのですが、ガイドブックで調べ物をするたびにそのページが目に入り、なぜかだんだん気になりだしました。

そこで滞在中、首都トビリシの国立美術館へ行ったのですが、ピロスマニのコーナーは閉鎖中。せめてもと思い、ミュージアムショップを覗いてみたのですが…。

ピロスマニのグッズは、カワイイし使える!

ここで実はピロスマニの絵そのものよりも先に、グッズにハマってしまったのです。絵自体は濃く暗い色の絵の具を使っていて、パキッとした印象で存在感が強いのですが、すごくオシャレ。定番の絵葉書のほか、小物やアパレルもありました。

キリン、めっちゃこっち見てる


どちらも買わなかったことを少し後悔

特にアパレルがすごくいい感じ!個性的で1枚着ればオシャレに決まります。

おじさんトートバッグ。上のジョージア文字もカワイイ

私と友人が特にハマったのが、黄色い帽子に赤い服の「魚をとるおじさん」。背景が暗くて一見、寂しそうにも見えるのですが、色づかいやファッションがとても可愛くて。「このおじさんと毎日一緒に過ごしたい」という謎の感情のままに、実物を見てもいないのにトートバッグやらブローチを買っていました。私はこのときから、おじさんに取り憑かれてしまったのかもしれません。

友人は旅行中にもおじさんTシャツを着ており、テーブル越しにしょっちゅう目があっていたので余計に愛が増した気がします。

白Tシャツはよりカジュアルな印象。向かいに座ると目が合う

単純だからこそ、心に残る絵

こうなったら、実際の絵を見ずには帰れません。開館日の美術館へ再アタック。10数点の絵が展示されていました。

人が少なくてじっくり見れました

魚をとるおじさん、バレリーナの女性、キリンなど「人間or動物が単体でこちらを見ている」絵が代表作と言われているようなのですが、いずれも気になるのは目。くっきりと描かれていて、何を考えているかわからないようで、何かを言いたげにも見える目に引き込まれます。

前日見た風景にそっくりだけど、どこで描いたの?と思っている私

宴会の風景など情景の絵もあります。状況が読み取りやすくわかりやすい絵で、小さな人の顔などは落書きのように簡略化して描かれていますが、単純だからこそ見ていてダイレクトに感じられるものがあるのかなと思います。

最初は暗いなと思った色彩も、実際に滞在した場所にそっくりで、たしかにわかる!のです。ヘタウマなようで、人物も風景もしっかり特徴や魅力が表現されている。

実際にジョージア北部で見た風景

ピロスマニは生前「幼稚な画風」と言われ評価が低く、安く描く画家としてレストランの内装用の絵などを多く手掛けていたそうです。晩年〜死後に評価され作品を蒐集する方が現れたり、後年伝記映画がつくられたり、今ではジョージアのお札にまでなっているのですが、彼自身は画材にも困るほど貧しく、それでも絵の具だけはいいものを使っていたのだとか。濃くベッタリ塗ることが多くて、絵の具代もかさんだことでしょう。

ジョージアのアパレル、SHAVDIAならピロスマニをオシャレに着こなせる!

絵を見たあとに偶然、街中で上質なピロスマニグッズを見つけてしまいました。場所はトビリシで買い物といえばここ!といわれるショッピングモール「ガレリアトビリシ」。クールな雰囲気のアパレルショップを覗いてみたら、ピロスマニの絵がデザインされた服だらけでびっくり。偶然の出会いに運命を感じてシャツを買いました。

正面から見たらシンプルな白シャツですが、背中におじさん。よく見たら左右反転している

旅行先で服を買う場合、コテコテの現地モチーフのものは観光客丸出しになってしまったり、有名すぎるものが描かれていて着にくかったり、帰国後に家で着るとしっくりこなかったり…など失敗しがちです。しかしここの服は普段着れるイメージが湧きます。しかもオシャレ。

ブランドタグとスケおじさん
Mサイズだと、日本人の私には大きめ

ブランド名はSHAVDIA。あとで調べたところデザイナーの人名でした。その下のサカルトベロは現地語での国名で、あえてこの表記を使うデザイナーの国に対する想いが表れている気がします。我々日本人がmade in Nipponて書く感じですね。

ボタンホールの処理などが少々甘いのが気になったのですが生地はしっかりしていて肌触りも良く、お値段は119ラリ。日本円で約6400円です(2022年10月のレート)。

SHAVDIAのInstagramを見るとお店の雰囲気やアイテムが分かります。ピロスマニ以外にも、ジョージアならではのモチーフを取り入れたアイテムがたくさん。Tシャツやパーカー、スカーフなど、お店で見ているだけで楽しかったです。

うまく埋め込みができないのですが、下記URLから見られます
https://www.instagram.com/shavdia_official/?hl=ja


ヘッダー画像にさせていただいたショッパー、ピロスマニ大集合

ピロスマニの絵をたくさん並べて、1日中眺めてみたい

トビリシの国立美術館で見られたのは10数点。現存する作品は約200点とのことなので、やや物足りません。ここまでグッズの話が多いですが、やはり絵があってこそ。帰国後に画集を買ったらかなり満足しました。

絵だけでなくエッセイなどもあり、すごい情報量でした

が、やはり実物を見たいものです。願わくば日本で、お腹いっぱいになるくらい眺めたい。画集の情報によると1970-80年代には何度か日本で展覧会があったようなのですが…2008年出版の画集なのでそれ以降のことはわからず、ネット上にも情報はなく。

近年、日本ではジョージアがグルメや移住、観光におすすめの国として認知が広がっていますし、彼の絵そのものも結構、日本人が好きな雰囲気ではと思うのですが、いかがでしょう。

私と友人が全く予定になかったグッズを衝動買いしたように、グッズをたくさん揃えたら他の方にもウケるのでは?SHAVDIAのアイテムも輸入したら面白いのでは?など妄想していますが、もしどこかで企画が進んでいたら、ぜひ情報お教えください。

我が家に連れ帰ったブローチおじさんは今、チュニジアにいます。大きさがちょうどよかった

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