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18歳の娘が84歳の母の手を繋いで歩く姿が微笑ましくて、心で「ありがとう」を伝えながらカメラのシャッターを切りました。


親子三代で向かったのは新温泉町の湯村温泉です。
母は80歳を過ぎたあたりから行動範囲も狭くなり、どこかに出かける機会も少なくなっていました。
日々の暮らしが単調になると少しずつ物忘れも多くなっていきます。
そんな母を最初は「同じことばっかり話してる」ってちょっとイライラさえ感じていたのですが、これってもしかして母を支えるタイミングが来ているのかもしれないと自然に気持ちが切り替わっていきました。


40年前暑い夏の日、私の父はお空に突然旅立ち、母は今でいうシングルマザーになりました。
「また、明日もお見舞い来るね」と笑顔で手を振った翌日の出来事だったと思います。

その日から9歳だった私は、心のどこかで、しっかりしなきゃと感じるようになりました。
母に甘えたり、無理を言ったり、心配かけたりしてはいけないって勝手に決めていたように思います。

高校も大学も全部ひとりで決めて事後報告でした。
しっかりして早く自立することが母にとっても良いことって思っていたのかもしれません。
そんな10代を送ったからなのか、母と一緒に過ごした記憶や思い出があまり残っていないことに気づいたのはほんの数年前。
今思えば、私も寂しかったけど、母も寂しかったのかもしれないと、自分が子育てをして気づきました。

後悔の嵐ですが時すでに遅し。
過ぎた時間は戻らないですね。
本当にごめんなさいって思います。

でも今からでも遅くないって切り替えて、これからはできるだけ一緒に過ごす時間を作って「ありがとう」って伝えようって考えられるようになったのは自分の子育てが少し余裕が出てきたからからでしょうか。

毎月温泉に行ったり、ごはんを食べに行ったり。
孫のステージを見に行ったり。
孫も巻き込んで旅行に行ったり。


旅先で娘が母の手を繋いで歩く姿を見て
保育園時代はお迎えに行ってもらって、母が娘の手を繋いで歩いていたことを思い出しました。

時の流れは速いと実感します。


写真は生きてきた軌跡を形に残す大切なツールだと思います。
撮影をさせて頂きたくさんの人をファインダー越しに見ていると
人それぞれのエネルギーと今この瞬間の「生」が伝わってくるのを感じるようになりました。

昨年のさくらの季節に母たちのお散歩にご一緒して撮影させてもらった一枚。写真は苦手という世代も「撮らなくていいよ」と言いながらカメラ向けるいい笑顔になるものです。




大切な人の大切な軌跡を写真に残してみませんか?

お友達とのちょっとしたイベントや毎日の暮らしのひとコマ、
活動の様子やご家族写真、記念日写真等自然な姿を撮影させて頂きます。

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軌跡を紡ぐ写真家 碇 由香
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