ぶどうの食べ方

天高く馬肥ゆる秋がやってくる。

秋の走り、みんな大好きなぶどう。🍇
どんな食べ方がお好きだろうか。
つるんと簡単にぶどうが向けるライフハックをリールで頻繁に見かけるようになった。桃もそうだが、みんなより良い食べ方を求めて知恵を絞っているのだろう。

家庭によって食べ方に多少の違いはあると思う。
我が家は、枝豆の如く吸い出して食べていた。
皮の近くがもっとも甘いと聞くし、皮を少し齧りながら余すことなく堪能できる、理にかなった食べ方だ。
しかし、それがとても恥ずかしく感じる瞬間が訪れる。


そう、思春期に入り目の前に気になる異性がいる時だ。

タコ口になるのも、皮をシワシワにしてしまうのも、吸い出すために一度は口に含んだ皮を皿に取り出すのも、思い出す限り全てが恥ずかしく必死に剥いて食べた。
爪の間は見事な紫に染まっていた。
まるで好きな人に舞い上がるときめきと、幻滅されたくないノミの心臓が内混ぜの複雑な乙女心を表しているかのようだった。
習慣になっていたことさえ、人目を気にするようになるとは恋の力恐るべしである。

最近は品種改良の成果もあり、種なし、皮ごと、甘み強めといった多様なぶどうを楽しめる。人気のシャインマスカットは種なし、皮ごと、甘み良しなのでめいいっぱい可愛く頬張れることだろう。

思春期を通り越した今は、粒の半身にあたる皮を剥いて、瑞々しいグリーンを楽しんだ後、枝豆の如く吸い出している。
律儀に全部皮を剥き取ると果汁が落ちてもったいないのである。
さあ、皆さんのお好きな食べ方は?

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