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いまだにバスのルートが良くわかっていない

こちらに来て2年以上になるけれど、バスの路線がいまだによくわかっていない。何度も乗った学校行きのバスしか覚えていない。

初めていくところには毎回緊張するし、google mapが手放せない。乗るべき番号のバスがちゃんと今いるバス停に来るまで安心できないし、乗り込むときも、この番号のバスが正しい行先であるように願いながら乗るほどだ。

この町のバスルートはとても細かくて、すごく細い道や、住宅地の奥までもバス停がある。だからなのか、1つずつのバス停の間隔も短い。乗り間違えたらただ降りて、反対側のバス停からもどればいいだけ。なのになんで私こんなに不安なんだろうな。

そんな感じでバスに乗りこむまでには少しの勇気がいるんだけれども、乗っている間は結構好き。空が広いし、たまには畑が見えて、いろんな家や建物をみながらぼーっとするのは頭が休まる。あとは橋もときどきあって、橋の上から川を見るのもよい。原っぱみたいなところにはたまにGooseやうさぎ、ビーバーのような生き物が走っている。

人々の暮らしを支える公共交通機関としてはまだ改善の余地が多いようで、どんどん値上がりするのにルートは縮小されて、ドライバーが足りないし、バスはいつも時間に遅れるから街の人にはあまり好かれていないみたいなので、心の余裕が必要な乗り物なのかもしれない。

私はここにきて、待つことを学んでいるなあと思う。私が日本で暮らしていたところは、特に朝方、数分の遅れでも車掌さんが謝罪したり、すぐにみんながイライラしてしまう。人のイライラは集まるとさらに怖いもので、空気が厚く重くなる。たぶん次の予定が詰まっていて忙しい人が多いし、時間通りにくるものとして信じているから、そりゃそうだよな、とは思う。かつて自分もその一部であったからわかる。

いまは、自分が外から来た人だからなのかもしれないなとは思いつつ、この町のことや人を、じっと見てバスを待っている。

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