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昼間の歯ぎしり

昼間の歯ぎしりが止まらない。というより、止められない。寝ている間に口をあいていびきをかいていることはよくあるが、歯ぎしりを指摘されたことは、無かった。年齢とともに、元々弱かった歯や歯茎、歯根など、折れたり緩くなったり、何やかにやでここ数年、日本に帰国するたびに口元のお掃除と小さな治療を続けて来てはいた。その結果、なんとなく、歯並びすらも変わってきて、自分では普通に口を閉じているだけなのに、以前とは違う歯と歯が噛み合っていたり、頬っぺたの内側の肉を噛んでしまったり、舌を傷つけたりするので、気持ちが悪い。

自分で歯を噛み合わせてみたり、カチカチしたり、舌で探ってしまっているもの、きっとそのせいだと思っていた。歯医者さんにも相談してみたが、寝ている間の歯ぎしりならマウスピースなどをお薦めすることもあるが、昼間起きている間ならば、自分で気を付けて止めるようにしてください、としか言えないなあ、と。そりゃそうだ。というわけで、同じ状態のまま退散。

とはいえ、ずーっと歯が気になっているのっておかしい!と思っていたところ、家人にも何をカチカチ口の中でやっているのか?外から見ているとずっと頬っぺたのところの骨(噛み合わせの蝶番)が動いていてキモチワルイ、と指摘され、うん、そうだろうね。。。「歯の噛み合わせ」「カチカチ」とかいう言葉でWeb検索していて、ハタと気づいた。これは、一種の歯ぎしりだ。そこで、昼間の歯ぎしり、というキーワードで調べて、治す、とか、止める、という言葉を合わせると、出来てたのが、「原因の第一は、ストレス」。

あ。そうだったのか。その原因を取り除かないことには、なかなか止まらないらしい。はて、何のストレスなんだろう、と考えてみると、思い当ることがあり過ぎて、逆に一つコレだという決め手が無い。複合型のストレス、ということだろうか。いずれにせよ、歯ぎしりをしている、ということ自体や、また歯ぎしりしていると指摘されることがストレスではあるし、「止める」のだ、という強い意思で止めてみせる、と決めたところだ。

歯ぎしりと言えば、ごまめの歯ぎしり。ごまめの歯ぎしりといえば、河野太郎。ずっと昔、彼のWebマガジンを初めて見たときに、子どもの頃のニックネームがごまめだったのかな?顔、ごまめに似てたっけ?なんで、ごまめの歯ぎしり?などと思い、調べてみて、あら、そういう言葉があったのね、と恥ずかしながら知ったのだった。今や、泣く子も黙る行政改革・国家公務員制度担当大臣、内閣府特命担当大臣が歯ぎしりをしようものなら、翌日には「なんとか目安箱」が設置されるし、もはや歯ぎしりする必要もなくなっていることだろう。それに比べて、小さなちいさな存在の私は、未だに歯ぎしりで自分の不調を訴えたようだ。

今まで、何事も大雑把に受け止めて、深く感じ過ぎたり、考え込まないタイプだと思って生きてきたが、そういうわけではなかったらしい。ここまでが本当に幸せで、そうしてやって来られたことに感謝し、この昼間の歯ぎしりのお蔭で初めてちょっと触れてみることが出来た自分のハートの一番底の部分を、もう少しそーっと確認してみながら、ちょちょいとお薬でも塗って大事にしてみようと思う。よしよし。

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