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2020年(令和2年)の夏休み

季節が猛スピードで流れていく。まだ春と言えるうちに帰国し、14日間の自宅での自主検疫をしながら梅雨入りしたなと思ったら、娘も帰国。わが家の夏休みの始まりだった。まずは彼女も14日間の自主検疫Stay Home。生まれて一番長く鬱陶しい梅雨を経験し、梅雨明けした途端に、アブラゼミの大合唱の中、立秋。今年は、もう後半戦。9月に入れば、秋の声が聴こえてくるのだろう。

大きな流れとしては、新型コロナウィルスのニュースを対岸の火事のように読んでいた2月頃。気が付けば、ニューノーマルとやらが定着し、世界中でマスク顔が当たり前に。マスクと消毒液の取り合いが、ワクチン予約合戦に移行してきたことは、不幸中のちょっとした幸い、か。

半年の間に色々な大きな変化があったが、その中で、まずは、なんだかおかしなことが起きているらしい⇒本当なのか?⇒多少のことでは驚かないぞ⇒情報の出所には気を付けて、できるだけ多角的に分析して判断しよう⇒予想以上の世界的な問題になったが、その中で自分はどうするべきか⇒この先いつまでどの程度の問題として続きそうか⇒この先自分はどうすべきか、という道のりを歩いてきたように思う。それを踏まえての、夏休み。一生に一度の高校1年生がいる家族の夏休み。

これまで家族が3地点でバラバラに暮らしていたが、この2カ月ちょっとの夏休みは初めて全員一緒にいた。さて、Stay in Japanの時間を活かしきれたか?国内の移動が東京からでもまだなんとか許された頃の滋賀甲賀行き。マレーシアでしか会ったことがなかった友だちと再会し、川遊びにBBQとおしゃべり三昧。これはきっと、先頃、天に召された御父上のお取り計らい。このご縁に感謝し、ずっと大切にさせていただきますという気持ちで。

長崎壱岐島では、エメラルドグリーンの海、白い砂浜、自然の創り出した岸壁の造形美、神々の時代の空気を包み込んだままの森の中の社、新しい出会いのおかげで、伝統技術を最新の化学で進化させた酒造りにも触れさせていただき、ひとつの国としての大陸との交易の歴史、人々の心に今も残る異文化を受け入れる広く温かい土壌を味わった。フェリーの乗り降りだけのつもりが、思いがけず唐津という街に心動かされ、天守閣まで上り、風を受けながら、すぐにまた戻ってきますと誓った。コロナ配慮でそーっと遠慮しながら通った、大好きな佐賀有田・武雄では娘に見せたかったところを静かに走り回り、宿を取った長崎波佐見で出会った棚田とそこで作られるお米、そのお米を食べている鶏の玉子、その玉子から作られるアイスクリーム。かわいらしいちぃちゃんと一緒に食べた想い出。

Stay in Tokyo中は、東京で会える親戚との時間を大切に。次の世代に伝えて育んでいきたい、夏休みやお正月はみんなで集まるのが楽しいねという思い。さらに、一緒に料理したり、美味しいものを囲むとお話も弾んでもっと楽しいね、ということも。ずっと続けて行ってくれることを願い。

部活や大した宿題も無い珍しい夏休み。放っておけば、友だちと遊ぶ、という予定が無いと、食べる時間以外は部屋でゴロゴロしている、という日々になってしまう。実際は、脳がギュンギュン動いている高校生は、音楽を聴いたり、ギターを弾いたり、たまにお菓子を作ったり、そんな時間の過ごし方さえも無駄な時間ではないように私は思うのだが、傍から見ると、そんな風にしていていいのか?とイライラしてしまうというのも分からなくはない。

しかし!夏休みは夏休みなのだ。やることはやったではないか。やることが無い日を作る、それが「休み」。と私は言いたい。

もうすぐ、この夏休みは終わってしまうのだから。




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