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第百三十四話:更なる隠し子の発覚?!

 ルトフィーと顔を合わたり、チャットなどで、毎日何かしらのつながりを感じながら過ごしていた。依然として、彼の明確な気持ちは分かっていなかったが、おそらく嫌われてはないだろうし、好意的な印象を持ってくれているのだろうという確信があった。
 このことは、今までジェームズに否定され続けていた自分にとって、大きな自信になり、良い影響を与えていた。

 ルトフィーと再度ディナーに行く話になった際、彼は翌週から出張に行くから、その前の日曜日に会おうと提案してきた。日曜日は、基本的に息子と過ごすことを優先している私は、無意識のままその提案を断ってしまった。結果、出張から戻ってきたらその翌週に会おうということになった。

 ちょうど同じ時期にジェームズもヨーロッパのほうに行くと言って、出かけて行った。前回カフェで会った際、初めて思ってたことをマシンガンのようにぶつけてから、ジェームズは態度を軟化させていた。帰ってきたら、ゆっくり話合おうと言われていたが、いまさら話すことがあるのだろうかと内心思っていた。

 今まで博識だと尊敬し、どんな話にも頷いて辛抱強く聞いてきた訳だが、それが辛抱強く聞いていたら、好かれるかもという気持ちからだということに気付いてしまった。俺の子どもは大統領や宇宙飛行士になるくらい聡明だ、とか、自分がどれだけ博識かをひけらかすような世界史の話、タンザニア人を卑下するような言動を永遠と聞くことが、最高に時間の無駄だと思い始めていた。

 いつも関係を終わらせるのが憂鬱で、放置し自然消滅を待つパターンが多い私だったが、ジェームズとのことをしっかり終わらせなきゃと思っていた。

 そんなとき、共通の友人に重要な話があるからと呼び出された。
子どもが同い年ということもあり、時々会っていたが、すぐに時間を作ってと焦っているのが気になり、夜会いに行った。
 席に着き、近況を話したあとで、神妙な面持ちで「落ち着いて聞いてよ!」と言って話出した。

「この間カジノに行ったときに聞いて、確かな筋からの情報なんだけど、ジェームズに生後2か月の女の子がいるんだって!」

「えっ?」私の頭は混乱していたけど、冷静でもあった。
再度ジェームズと付き合い始めて2年以上経つ。どう計算しても、再度付き合い始めてからできた子どもだな。しかも関係が比較的うまくいっていた頃にできた子どもってことか。などと考えていた。

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