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第百十九話:解決に向けて奔走する

 ダルエスサラームの労働局局長と他州の労働局局長が会って話をした翌日、他州の労働局局長から前回会った場所で午後に会おうと電話があった。進展があったことにホッとしつつ、待ち合わせの場所に向かった。
 
 話を聞くと、予想していたとおり汚職防止機関に話がいって呼び出されたことに相当憤慨しているようだった。他州の労働局局長にもなんでそんなところに話を持っていったのかと非難をされた。そのうえで、裁判になる前に解決するため、向こうがいくら要求しているのかを教えてくれた。そのうえで、労働許可証が下りたらパスポートを返却し、訴えを取り下げるとのことだった。
 予想していたよりは安かったが、決して安くはない金額だった。少し戸惑っていると、今すぐに回答しなくてもいいから、考えてから再度連絡をするように言われ、その日は解散となった。
 
 私はその足で彼を紹介してくれた人に意見を聞くため、会いに行った。基本的には、裁判で負けた場合に払う罰金のほうが高額であるため、払うことになるだろうとは思っていた。その紹介してくれた人が、もう少し金額を負けてくれないかダメもとで聞いてみたらということで、電話をしてくれた。
 他州の労働局局長は一度確認してみると言ってくれ、返答を待つことになったのだった。

 相変わらず毎日のように警察から電話がかかってきて、プレッシャーをかけられ続けている状態で、ストレスで痩せてきているような状態だった。

 毎日のように労働局のウェブ上で労働許可証が下りた人のリストが発表されるのだが、それを願うような気持ちで毎日のように見るのが日課となっていた。却下されたリストには入ってないことに喜びつつ、下りたリストに名前がないことに落ち込むそんな毎日だった。

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